小さな植林隊





雑記 平成23年3月18日(金)





岐阜県瑞浪市 地層処分研究所 視察 その2


室内の説明が終わり、つなぎに着替えて、坑道へ向かいました。
ここはもともとはウランを探しているところでした。
平成7年に放射性廃棄物を埋めないという約束を経て、
現在の研究が行われています。

主立坑は内径6.5mで、深さ472mまで掘られています。
前回の幌延のときは140mの深さまで行きましたが、
今回は300mにある横坑まで行きます。

掘削で掘り出されたズリ(掘削土)です。
坑道の中で説明する職員の方。
中はすごい湿度でむしむししています。外とは大違い。
天井にこのような覆いがたくさんあったので聞いたところ、天井から
水が落ちてくるのでそれを横に流すためということでした。
掘削面です。堆積岩とは全然違います。
水がパイプを通して大量に出ています。
集められた地下水は、外へくみ上げられます。すごい量です。
1日650立米(立方メートル)の水があふれ出てきています。
瑞浪と同様、ボーリングして、水の流れ易さ、水質などを調べています。
ここの水はフッ素がたくさん入っています。
花崗岩です。実際に触ってみました。一見硬そうですがですが、
手でポキッと割ることができました。意外ともろいです。


深さ300mですと、圧力としては水深200m位の圧力がかかっているそうです。
これがさらに深くなれば、圧力も増していきます。
水の湧出を防ぐために、グラウチングといって、坑道の周囲に小さい穴を掘り、
セメントミルクを流し込み、水が出てくる岩盤の隙間を塞いでいるということでした。
しかし、それでも1日650立方メートル出ています。

ただ、この1日650立方メートルの流量は多い方ではないということでした。
これで多い方ではないということは、地層処分は基本的に水がたくさん湧出するところへ
埋めるのが前提になってくるかもしれません。
高レベル放射性廃棄物を包むベントナイトが水分を吸収する効果は
あっという間になくなるのではないでしょうか?


この湧出については、施設の方は止めようと思えば止められると言っていました。
それならば、止めることも実験としてする必要があると思いました。
早いうちに止めたとして、それがいつまで止め続けることができるのかも検証する必要が
あると思います。水圧にどれだけ耐えられるかの検証です。

それから、こちらは酸素を食べる微生物はほとんどいないということでした。
前回の北海道幌延市の場合は、地下に存在する、酸素を食べる微生物がいることで
地中には酸素がほとんど存在しないというお話しでした。
しかしここ岐阜県瑞浪市の場合は微生物はほとんどいないそうです。


つまり、幌延市と瑞浪市の担当者の話を元に考えると、
瑞浪市の場合、微生物がいないということは、酸素が存在し、
酸素による酸化現象は起こるということになります。
酸素が存在するようになると、高レベル放射性廃棄物を覆っている
鉄でできたオーバーパックは腐食するはずです。

ベントナイトもオーバーパックもその役割が果たせなくなるのは
想定よりもずっと速くなるのでは?
その様な疑問を感じずにはいられません。



その3へ続く






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