小さな植林隊

雑記 平成23年3月16日(水)



北海道幌延市 視察 その3


ところどころにこの様な説明がおいてあります。

低アルカリセメントを坑道で実験したのは世界初です。
普通のアルカリ性セメントは、ベントナイトに影響するそうです。

それでは、ベントナイトに影響するとどうよくないのか。
まずは高レベル放射性廃棄物がどのような状態なのかを見てください。
これが高レベル放射性廃棄物の模型です。
中が見えるようになっていますが、本物は全て包まれています。
階段状になっているところがベントナイト(厚さ70cm)の部分。
その内側、少し厚めの断面があるのが、オーバーパックと言う鉄(厚さ19cm)でできた覆いです。
その内側が、厚さ5mmのステンレス。
その内側に、高レベル放射性廃棄物がガラス固化されて入ります。
これが1つの廃棄物です。

これを地中の中に埋めるという想定の元の実験です。

*ベントナイトとは、海底・湖底に堆積した火山灰や溶岩が変質することで
出来上がった粘土鉱物の一種です。吸水性、膨張性などがあり、ペット砂として使われています。

ベントナイトには吸水性、膨張性があり、その性質を利用して、
地下水が鉄でできたオーバーパックに届くのを遅らせる仕組みです。
厚さ70cmのベントナイトで水の浸入を防ぐことができるのは、50〜100年程度とのことです。

アルカリ性セメントはこのベントナイトの吸水性、膨張性を阻害します。
ベントナイトの性質が劣化すると、想定よりも早く水がオーバーパックに到達することになります。

だからそうならないようにするために、低アルカリ性のセメントが必要と言うことです。



これはコンクリートを打ち付けていない、生の地層(堆積岩)です。

この辺は海水が混じってできたようで、塩が出ています。
海水の塩分濃度は1リットルに30gの塩がとけている状態ですが、
ここの地層は14gの塩が溶けた塩分濃度だそうです。


地中の微生物が酸素を食べるという説明です。

本来、地中奥深くに酸素はほとんど存在しないそうです。
しかし、穴を掘ることで、空気が入ってきます。つまり酸素が入ってきます。

地層処分の懸念の一つが、酸化による劣化、腐食です。
オーバーパックは鉄ですので、酸素があると錆びて腐食してしまいます。

しかし、ここの説明では、穴を埋め立ててしまえば、微生物が酸素を食べるので、
地中から酸素はなくなる、つまり、水がオーバーパックに触れたとしても
さびないと言うことでした。




遠くから見たズリ(掘削土)置き場です。

ぽつぽつあるのは重しで、シートでズリが覆われています。


この幌延の研究施設は、あくまで放射性物質を持ち込まないことを前提とした実験場なので、
研究が終わったら、そのまま埋め戻す約束になっています。
このズリはその時まで、ここで保管されます。

見学者の中から、せっかく穴掘ったのだから、何もしないで埋め戻すのはもったいないという意見が
ありました。
それに対して、施設の副館長は、そういう声がたくさん出るようになるといいんですけどね、
と言っていました。

私は、ここの地元の人達が、高レベル放射性物質を持ち込まないことを前提として受け入れたなら、
やはりその約束はしっかり守るべきだと思いました。


それから大事なこととして、地層処分の為の穴を掘ることで、地中から水が出てきます。
この幌延の施設では1日100立米(立方メートル)が出てきています。
ちなみに岐阜県瑞浪市にある地層処分実験場の場合は1日650立米の水が出ています。

これだけ大量の水が出ると言うことは、何かしらの影響が出てくるのではないかと考えてしまいます。
例えば、コンクリートに対してだったり、ベントナイトやオーバーパックに対してです。
常に水が流れている状態では、微生物もその酸素を食べきれないのではないか、
コンクリートの腐食が早まったり、ベントナイトが崩れていくのではないか、そんな疑問を持ちました。
埋め戻せば、それほど水が出なくなるとしても、埋め戻した部分は最初の状態とは
圧力が違うはずです。もともとあった状態のように、岩石が高密度でびっちり埋まるかどうかは
難しいと思います。
そうすると、空気が入る可能性もあるし、地上からの雨が浸透してくる可能性もあると思います。
また、今の雨は酸性雨なので、雨の中に酸素以外の酸があるとすると、
微生物が酸素を食べたとしても、酸性はかわらない、つまり、
オーバーパックの鉄を腐食させることができるのではないかと思いました。

また、今回起きた東北関東大震災のように、巨大な地震が起きた場合、
地下にどう影響があるのかわかりません。
ゆれに関しては、地上より地下の方が安定していると言っていましたが、
断層のずれがあった場合、想像もつかない圧力がかかって来ると思います。
高レベル放射性廃棄物のところで断層のずれが起こり、放射性物質が地中にもれてしまったら
地下水の動きは全く読めないため、どの範囲に影響が及ぶか読めません。
そうするとそこは死の大地になってしまいます。

技術的に、論理的に安全と言っても、天の災害の前に、無力であるとは
今回の東北関東大震災で実証されました。

次の世代に対してこれ以上無責任なことをしないためにも、
安易な地層処分決定は避けるべきと思います。
ただ、すでにある高レベル放射性廃棄物はなんとかしないといけないというのも
また事実なので、今後もしっかり考えていきたいと思います。
まずはこれ以上、使用済み核燃料を増やさないためにも、原子力発電をやめて、
自然エネルギーへ移行していくことが大事だと思います。

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