小さな植林隊

環境情報 平成23年(2011年)3月14日(月)


原発震災情報


平成23年3月11日(金)14時46分、東北地方太平洋沖地震(東北関東大震災)が起きました。
マグニチュード8.8から気象庁が9.0に訂正しました。
この0.2の違いは地震のエネルギーでいうと2倍違うそうです。
スマトラ島で起きた地震が9.1だったので世界の中でも大きいものです。
日本で統計を取り始めて以来、過去最大の巨大地震です。


多くの方々が亡くなられたことに、心からご冥福をお祈りいたします。
また被災された方々へお見舞い申し上げます。
天災の前に、人は無力というのを痛感します。


福島第一原発、福島第二原発、あわせて10機の原子炉がありますが、
福島第一原発の1号機、3号機は、炉心溶融が起こり、その他の5つの原子炉でも
冷却できずに、原子炉炉心溶融へ向かっています。

今回の件で、原子力発電所の耐震性や、津波といった自然災害に対しての
無力さが完全に露呈しました。

これについては、原子力反対派がこれまで主張し続けてきたことですが、
十分な対応がされないまま、今日に至り、結果として彼らの主張どおり、
大変危険な状況になってしまいました。

柏崎刈羽原発で地震が起こった際も、設計基準を2倍、3倍上回る揺れが起こり、
様々な故障が起こりました。しかし幸運なことに、原子炉本体は大きな事故からは免れました。



政府は福島第一原発から半径20km圏内、福島第二原発から半径10km圏内の
人達に避難指示を出しました。

すでに被曝した人もいます。除染が必要なレベルということです。

セシウム、ヨウ素が検出されたそうですが、本来、ジルコニウムの被覆菅で覆われた
燃料棒の中にあるものが、外に出てきていると言うことが、燃料棒が溶融をしているという証です。
ちなみに、この燃料を覆っている被覆菅の厚さはなんと1mm以下。ぺらぺらだそうです。
なぜかというと、熱をとりやすくするためです。
熱を水に伝え、蒸気に変えて、それでタービンを回し、発電するのが原子力発電の仕組みなので、
被覆菅をあまり厚くすると熱伝導が悪くなり、効率が下がります。


核分裂自体は、制御棒を差し込んでとめられましたが、
崩壊熱は継続しているため、冷却水を循環させて、冷やし続ける必要があります。
しかし、電源が落ちてしまったために、冷却ができなくなりました。
原子力発電所では、こういう事態に備えて、緊急冷却システムがあります。
非常用電源として、ディーゼル発電機が2〜4台用意されています。
福島第一原発1号機では2台のディーゼルの立ち上げに失敗しました。
その為、水を送ることができなくなり、炉内の水位が下がり、炉心が水面より露出してきました。
そして圧力と熱が上昇していきました。
原子炉格納容器が破損する危険が出てきました。
そこで圧力を下げるために、原子炉格納容器内の蒸気を外へ放出しました。


独立行政法人 原子力安全基盤機構より




沸騰水型(BWR)原子炉 緊急被曝医療研究より

原子炉格納容器は、放射性物質を閉じ込めておく容器です。
放射性物質を閉じ込めておくことが目的です。
しかし、それが、圧力が上がって、破損する危険が出てきたため、
中の蒸気を外へ出したということは、原子炉格納容器の意味がないわけです。

もちろん、原子炉格納容器が破損してしまったらもっと大変なので、仕方なく行ったわけです。
究極の選択だったのです。
格納容器内の気圧が通常1気圧のところが、8気圧くらいまでになっていたそうです。


冷却に必要なものは、冷やすための水、ポンプ、ポンプを動かすための電源の3つです。
しかし、ディーゼルの電源は起動せず、外部からの電源車の能力では足りないため、
海水を入れることになりました。
海水を入れたというのは、今後この原子炉が使えなくなっても仕方ないということの表れです。

炉心溶融が進んだ場合、格納容器の崩壊は免れません。
それだけは避けなければいけないことです。
海水を入れたのは、そこまで追い詰められたということです。

今はとりあえず、海水を入れて冷やしていますが、これが何らかの事態でできなくなると
また炉心溶融、格納容器の崩壊の危険性が発生します。
今後どのようになっていくか、注視しなければいけません。

最悪の状態は、一つの原子炉が崩壊して、手が付けられなくなった場合、
他の原子炉の対処もできなくなって、複数ある原子炉がそれぞれ崩壊してしまうことです。

また、福島第一原発3号機は、MOX燃料を使用しています。
MOX燃料とは、ウランとプルトニウムを混ぜた酸化混合物です。
つまり3号機の燃料棒がとけ、格納容器内の圧力を下げるために大気放出するということは、
プルトニウムも放出することになります。
非常に危険です。
炉の出力も3号機のほうが大きいので影響も大きくなります。

1号機と3号機で起きた爆発は水蒸気爆発ではなく水素爆発のようです。
水中から頭を出した燃料棒と水蒸気が反応して水素が発生し、
それが爆発したとのことです。
政府の発表では建屋だけが吹っ飛び、格納容器には
損害がないということでしたが、本当でしょうか?
あれだけの爆発があったのにもかかわらず、全く影響がないとはとても思えません。

ちなみに水蒸気爆発は 水と溶融物が接触すると爆発が起こります。
火山で溶岩が海水に入っていくと爆発が起こるのと同じ。
炉心が溶けた状態で、水を入れると水蒸気爆発が起こります。
だから早い段階で、溶ける前に冷やす必要があります。

格納容器の中に窒素を入れていて、爆発が起こらないように設計していますが、
格納容器内の空気を放出したことで、窒素が減り爆発が起きます。

今回起きた水素爆発は水蒸気爆発とは違います。
水素は水蒸気とジルコニウムが反応して発生します。

炉心が溶融すると、溶融をとめるために冷やしたいが、水を入れると爆発する危険性がある、
これが原子力発電の最も難しいところです。

空気放出しないと、格納容器内の圧力がどんどんあがり、崩壊につながります。
これも究極の選択といえます。


炉心溶融が行き着くとチェルノブイリになります。
何百キロ(2〜3百)と離れたところに、放射性物質の濃度が高く舞い降りました。
ホットスポットといい、雨が降って局地的に汚染されました。
日本にもチェルノブイリの放射性物質が舞い降りているので、
濃度を関係なく言えば、何百キロ以上に超えて到達してきます。

今後この問題がどうなっていくか、大変心配です。
戻 る


TOP