小さな植林隊





環境情報 2010年5月10日(月)





ブラジル、アマゾンの熱帯雨林を切り開いて世界第3位のダム、受注企業決定


AFPBBニュース 2010年4月21日(水) 
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2720118/5644077

ブラジル、アマゾンの熱帯雨林を切り開いてダムを作る企業が決まったそうです。
完成すれば貴重な動植物がすむアマゾンの熱帯雨林500平方キロメートルが
ダムの底に沈んでしまいます。


ちなみに東京都23区が621平方キロメートル。
板橋区と練馬区を省いた21区の面積が大体500平方キロメートルになります。

世界第3位とあって広大な面積が水没してしまいます。
しかも命の宝庫である熱帯雨林が消えてしまいます・・・・・・・・。
小さな微生物から、昆虫、小動物、鳥、大型の動物、川魚などなど。
どれだけたくさんの種類の命が存在しているかわかりません。

また、 ダムの給水源となるシングー川流域に住む原住民9種族を含む2〜4万人が
移住させられることになります。

ダムのために水が流れなくなるシングー川支流に住む人々は、
水も魚も交通手段も奪われることになります。

ブラジルのルラ大統領は
「ブラジルは開発する権利があり、ダムはクリーンなエネルギーと経済成長を
生むことになる。」と主張しています・・・・・・・・・。

ブラジルの権利とはなんでしょう?

クリーンなエネルギーとはどういう意味でしょう?

様々な生き物達の生きる権利は?多くの命が消えてしまってもクリーンでしょうか?

ブラジルは発展途上国。先進国を目指す気持ちもわかります。
しかし、大規模ダムはクリーンエネルギーではありません。
広範囲で環境破壊するからです。


先進国がかつて行ってきた古いやり方(現在も進行中ですが)を、
あえて今の時代に手本として行うことが最良の手段とは到底思えません。


先進国とは、言い換えれば、大規模環境破壊をしてきた国。
これ以上、大規模環境破壊をする国が増えて欲しくはありません。
もちろん、先進国もいつまでも環境を破壊し続けてはいけません。


日本でもダムはたくさんあります。その数約3000。
この中には必要ないダムも入っているでしょう。


堰が作られ、その中に大量の水が入ってきた段階で、
たくさんの生き物達が水で溺れ死んでいったはずです。


溜められた水はどこで使われるか?

私たちの日常生活でもたくさんの水が使われますが、工業生産や農業生産でも
大量の水が使われています。

日本は水が豊富にあると言います。
確かに梅雨や台風など適度に雨が降り、雨を溜め込む機能を果たす森林が多く、
環境としては恵まれています。
ただそれだけではありません。
ダムの存在も一定の役割を果たしています。
もしダムがなければ今のような使い方はできないでしょう。


ここで考え方として大事なことは、ダムがあることに感謝するというよりは、
もっと水や、食べ物、身の回りの様々な物を大切にしていれば、
ここまでダムは必要なかったのではないか、
つまり、大規模な自然破壊、命の消滅を避けられたのではないか
と考えることが大事だと思います。

もちろん、ダムには砂防や発電のためなどの目的もありますが、それこそ、
電気の需要がもっと少なければ供給を増やす必要はありません。

水の使われ方が、日常生活だけでなく、工業生産、農業生産もあるということは、
経済と密接に関係しているということです。
例えば、パソコンなどを製造するに当たっても大量の水を必要とします。
紙も車もそうです。
いろいろなものを作るには大量の水が必要です。
(ウォーターフットプリントと言います。2011年末までに国際規格化されるようです。)

つまり私たちの生活と結びついています。
言い換えると経済と結びついていることになります。

大量生産、大量消費、大量廃棄をすることはあらゆる資源を無駄に使い、
そこに住む生き物の命を奪い、そして最終的には人間自身の生存環境を
脅かすことになります。

先進国は今までのありかたを見直さなければなりません。

また発展途上国も今の先進国を見習ってほしいとは思いません。


ブラジルの大規模ダム建設によって失われてしまうものは、取り返しがつかないでしょう。

ブラジルの権利とは・・・・・・・・・・・・。

私たち人間の権利とは・・・・・・・・・。






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