小さな植林隊
環境情報 2008年7月1日(火)
世界の海水温度、予想の1.5倍の速さで上昇 世界の海水温度は、地球温暖化が原因で過去40年間に予想されていた数値の 1.5倍の速さで上昇しているという。オーストラリアと米国の気象研究チームが このような研究結果をまとめ、18日の英科学誌「ネイチャー」で発表した。 ■過去予想の1.5倍の速さで海水温が上昇 海水温度が上昇すると海水が膨張し、水位の上昇を招く。 その結果、小さな島国は水没し始め、人口が密集する低地のデルタ地帯も 世界各地で壊滅する恐れがある。専門家は警戒を強めているが、 今回の研究結果も、海水温度の上昇が加速と、それに伴う 海水位の上昇に警鐘を鳴らすものとなった。 海水位の上昇には原因が2つある。1つは海水の熱膨張、 もう1つは氷の融解による増水で、両方とも地球温暖化によって引き起こされる。 この2つが海水上昇にどの程度影響を及ぼすかを把握することは、 気候変動を理解し今後の温度上昇を予測する上で非常に重要とされている。 例えば、グリーンランドの氷床が融解すれば世界の海水位は7メートル上昇し、 バングラデシュの首都ダッカや中国の上海などは水没することになる。 ■観測データと海水上昇モデルが初めて一致 これまでに作成されたコンピューターでのシミュレーションによる気候変動モデルや、 専門家が実施した海洋からのデータ収集による観測結果には差があり、 信ぴょう性が乏しかった。 ところが、オーストラリア気象局の気象・気候研究センターのCatia Domingues氏率いる チームによる今回の研究で、初めて観測データと海水上昇モデルが一致した。 研究では、新たな技法により1961-2003年の、深さ700メートルの海洋における温度を算出。 その結果、海水温の上昇により海水位が毎年0.53ミリ上昇していることが判明した。 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が前年に発表した報告書では 0.32ミリとなっており、今回の研究がIPCCの数値を修正する形となった。 最近の研究の結果、海水位の上昇の要因として氷の融解が重要で、 その影響が増大していることが分かっている。だがIPCCの報告書は 22世紀の海水位の上昇を予測する際、熱膨張の影響のみを考慮していたため、 批判を受けている。 地球の気象システムでは熱の90%以上が海洋に吸収され、 気候変動への影響に対する緩衝機能を果たしている。 (2008年6月20日(金) AFPBB NEWSより 一部要約) http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2407341/3052751 (リンク先には南極の棚氷から分離し始めた氷の塊の写真があります。必見!) |
<感想> 地球温暖化で海水が上昇するいうのはすでに周知の事ですが、それがどの程度の速さで 上昇していくのかを計測するのはなかなか難しいことだと思います。 今回の発表ではIPCCが発表した0.32ミリから0.53ミリへ0.21ミリの修正です。 定規を持っていって海水面を測るわけではないし、水面は常に揺れているし、 潮の満ち干きはあるし、この程度の変化は気づきにくいと思います。 ただ、実際に島で生活している人達はその変化に気づかされています。 ツバルは温暖化で島自体が沈みかけていることで有名です。 島が珊瑚でできているため、潮が満ちてくると地面から海水が湧いて出てきます。 当然、すくって捨てようにも、当たり一帯が水浸しになっているので無理です。 想像してみてください。 自分が生活する小さな島で、地面から海水がじわじわ溢れて来る状況を。 おそらく島の人達は、自分達が住んでいるのは陸の上ではない、 陸というより海と一体、というのを思い知らされていると思います。 インドのゴラマラ島が沈みかけている映像を見ました。 かつての海岸線に人が立ってみると、現在では大人の腰辺りまで海水が来ていて、 まさに水没といえる状況でした。 陸地が浸食された結果、それまであった土地が水没し、作物を作れなくなり、 ある人は知人の土地を少し分けてもらい、耕作していました。 このまま海水が上がってくればゴラマラ島全体がいつ水没してもおかしくありません。 すでに沈んでしまった島もいくつかあるようです。。 自分達の普段目に見えないところでは確実に変化が起きています。 しかしこれは決して、この土地だけの話ではありません。 日本でも暖冬や、集中豪雨、台風の大型化など異常気象が出ています。 また、もしこのまま温暖化が続いた場合、関東では海面が1m上昇すると、 江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区、足立区が水没します。 砂浜に関しては全国の90%が消滅するそうです。 地球は警告を発し続けています。 なんかおかしいのはおそらく、みんな気づいているはずです。 その原因もおそらくみんなわかっているはずです。 どれだけ実行できたかによって、将来は大きく変わってきます。 動植物が今と同じように、できれば今以上に、たくさん残っているといいですよね。(^-^) |