小さな植林隊





環境情報 2007年11月20日(火)






海面上昇、淡水の塩水化に予想以上に影響


最新の研究によると海水面の上昇が、地質構造によるさまざまな影響のため、
沿岸部の飲用地下水の後退する距離をこれまで考えられていたよりも
最大40%拡大させることが分かった。

地球温暖化の影響についての現在示される多くの予想は、
海面上昇によりどれだけ陸地が失われるかという点に主眼が置かれている。

これに対して、米オハイオ州立大学の研究チームは、
海面上昇が各地の沿岸部で海水の地下水面への浸透を引き起こし、
地下水の塩水化は海岸線よりはるか内陸まで達することを発見した。


地下水がどれだけ塩水化されるかについては海岸線の構造が深く関係するという。
例えば、岩石の絶壁でできた海岸に比べ
砂浜のほうが地下での塩水と淡水の混合ははるかに大きい。

同大で水文地質学を教え、チームを指揮した茨木希教授は、
「(海面が上昇した場合)地質の複雑な構造が塩水と淡水の混合を進め、
海岸線が後退する距離よりも、塩水化される距離が長いこともあり得る」と説明する。

同教授はまた、「多くの研究で海岸線が100メートル後退すると
地下水も100メートル後退すると指摘されてきたが、我々の研究では、
混合がさまざまな影響を受け、さらに(最大40%)後退する
との結論に達した」と話す。

茨木教授と研究チームは、コンピューター上でシミュレーションを行うシステムを構築し、
海岸線の地質的構造の差異がどれだけ地下で発生する塩水と淡水の混合に
影響するかを研究した。

次にこのモデルを実際の地理的位置に当てはめ、海水面の上昇で
どれだけ淡水地下水が失われるかを求めた。

国連の「気候変動に関する政府間パネル」は、地球温暖化の影響により
地球上の平均海水面が2100年までに14センチから44センチ上昇すると予想している。
海岸に面した低地が非常に大きい影響を受けるとされる。

淡水は比較的小量の海水の混入で飲料ができなくなることから、
わずかな海水面の上昇が沿岸部の淡水資源に大きな影響を与える可能性がある

と茨木教授は指摘する。


(2007年11月18日 AFPBB NEWSより 一部要約)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2313665/2365300
<感想>


地球温暖化による海面の上昇で、ツバルの国が水没するというのはよく聞きますが、
それ以外の影響としてこういう地下水の塩水化というのも起こってくるのですね。

少量の海水の混入で飲料できなくなるということは
地下水を主な飲料水として使用している国や地域では、まさに死活問題です。
自然と共に生活しているような、地球にほとんど負荷をかけていない人達に
影響が出てきてしまいます。

水が飲めなくなる、というのは、私たちの日常からはとても想像できない事ですが、
地下水を頼って生きている人にとっては、今後避けられないかもしれません。
もし飲む水がなくなればもって2日でしょう。

他国の事だから関係ない?
自分にはあまり関係ない?

でももし本当に起きてしまったら、原因は私たちにあると思います。


二酸化炭素が温室効果を持っているのは事実。
先進国が産業革命以降に二酸化炭素を大量に排出し続け
地球の温度が上昇し続けているのも事実。
地球が温暖化する事によって様々な悪影響が出てきているのも事実。
今現在、私たちの快適な生活は化石燃料の消費、
裏を返せば二酸化炭素の排出によって成り立っているのも事実。


ここまでわかっていて、自分には関係ないと言えませんね。(^-^)

今度は先進国が二酸化炭素を抑えるよう努力しないといけないと思います。


もしも他国の経済活動のせいで水が飲めなくなったらどう思いますか?
しかもその国の人達がしらを切って開き直っていたらどう思いますか?






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