小さな植林隊


活動報告 2018年(平成30年) 8月25日(土)


インドネシア ボルネオ島 植林 アブラヤシプランテーション視察 プラスチックごみの状況 その1





以前から行きたかったボルネオ島への植林エコツアーに風呂敷で参加してきました。 (^-^)/

(風呂敷の写真は後ほど。)

日程は2018年8月25日(土)から8月31日(金)までの1週間。

これまでの色々な活動で、ちらし作成などで多くの紙を使ってきました。

その穴埋として。(紙の原料はパルプ、つまり、木です。)


日本で紙を使ったなら、なぜ海外?と思う人もいるかもしれせんが、

実は、日本の紙と海外の森は、関係は大きくあります。




環境のお話 1 :日本の木材自給率


木材自給率とは、その国において必要な木材のうち、どの程度を自国でまかなっているかを表す数値です。

日本の木材自給率が平成29年度で36.1%。 (2018年(平成30年) 9月時点の資料)

この数十年間を見ても、約2〜3割程度となっており、残り約7割は外国から輸入した外材です。

以下のグラフ、赤い折れ線と、右の縦の目盛りが木材自給率。
日本の木材自給率の推移  出典:林野庁


日本は、国土約3800万ヘクタールのうち、約67%の約2500万ヘクタールが森という森林大国で、

その内、約1000万ヘクタールが、かつて拡大造林政策で植えられた杉や檜(ヒノキ)の人工林です。

杉や檜は幹が真っ直ぐに成長する為、運搬、加工に便利で、建材等に利用しやすい特徴があります。

その反面、人が植えた人工林は、単一、もしくは限られた数種類の樹種しかない森なので、

本来の様々な樹種が存在する天然林とは違って木の種類が少なく、そこに生息できる昆虫や哺乳類等の

動物の数も少ないので、生物の多様性は乏しい森です。


日本には、過去に植えられた杉や檜がたくさんあるにも関わらず、木材自給率が低い、つまり

日本の木材よりも外国の木材の方が多く利用されてきたのは、1つの大きな理由として経済的な原理

というのがあります。要は、海外の木材の方が安いからです。


1964年(昭和39年)の木材貿易自由化の際に、木材の関税をゼロにした事で

安い外国産の木材が大量に入ってくるようになりました。

家を建てる工務店などは、安い外国産材を利用するようになりました。

それにあわせて、国内の木材価格も下落しては行きましたが、外国産の木材の価格には勝てません。

安い外国産材との木材価格の競争で、国内の木材価格が下落を続け、それによって

国内の林業が経済的に成り立たなくなりました。

売上が減って、経費をまかなえなくなり、収支が赤字になっていきました。

その様な状況が続いて、日本の林業家は、森の手入れをしなくなりました。


通常の林業では、木を植える際は、一般的に1ヘクタール当たり3000本という高い密度で苗木を植林し、

成長する過程で少しずつ間伐して600〜800本程度が残るようにして、最後にそれらを全て伐採します。

(植栽本数や最終的な主伐用に残す本数は、どの様な材を目的とするかによって変わってきます。)

その後、地拵え(じごしらえ:切り株を除去して地面を整える)して、再び植林するという流れです。


しかし、経済的に成り立たなくなった林業では、間伐をすると赤字となるため、間伐されず、

苗木を植えた時の高い密度の状態のまま、木が育っています。

密度が高い状態だと、木は太くなれず、ひょろひょろの細い木のまま上に伸びていきます。

大地にしっかりと根を張れない為、台風などで倒れやすくなり、土砂崩れ、土石流などの危険性が

高まっています。


木材自給率が下がってしまった原因は、他にも、戦中、戦後、日本の森がたくさん伐採され、

木材の供給が追いつかなかった等の時代背景もありますが、それでも、上記の表に示されたような

長期にわたる木材自給率の下落という事を考えると、大きな要因としては、関税を無くし、

外国の木材が安く輸入された事による、林業家の経済的な理由が最も大きいと思います。


余談ですが、木材の関税をゼロにした結果、国内の林業が廃れたという過去の事例から考えると、

現在進められているTPP(環太平洋経済連携協定)は、様々な商品やサービスの関税をゼロ

にする事を目標としていますので、そうなった時に、国内の産業が大きく損なわれるのが、

容易に想像できます。(関税ゼロは、海外の安い人件費と、直接、競争することになります。


TPPを反対する事に対して、保護主義と批判する意見もありますが、現在適正に行われいてる

貿易を、自動車産業など一部の業種を有利にする為に、他の業種を売り渡すような取引は

公正ではなく、偏った貿易であると考えます。特に、農業、林業、漁業などの第一次産業は、

国家の基盤として最も大事な部分であり、大事な部分は守って然るべきと考えます。


話を戻します。

海外から輸入される木材は、1度破壊したら元に戻すのが難しい生物多様性が豊かな熱帯林の

木であったり、あるいは伐採が法律で禁止されている森からの違法伐採された木材等があり、

そういった木材ほど安く供給される為、世界の貴重な森がどんどん減少していくという傾向にあります。


日本には、すでに、一度天然林を破壊され、人の手によって植えられた杉や檜の人工林がたくさんあります。

そういった国内の人工林の木材を使えば、海外の生態系豊かな天然林を破壊せずに済みます。


さらに、国内の杉や檜の人工林についても、伐採後は、その土地本来の植生(潜在自然植生)に基づいて

様々な樹種を植えていけば、様々な生き物達が生きていける本来の森を取り戻す事ができます。

もちろん、杉や檜といった針葉樹も、必要最低限残しておく事は大事です。


日本の消費者が日本の木材を選んでいく事で、林業をもう一度復活させる事にもつながります。

国産材を選べば、日本の林業家にお金が流れ、林業家は森の手入れができる様になります。

最近では、発展途上国の木材需要によって、外国産材の価格が上がり、

国産材とそれ程変わらないという状況になりつつあります。

国産材と外国産材の値段を見て、さほど変わらないと感じたら、是非、国産材を選んでほしいと思います。

国産材の価格は、高いのではなく、「適正な価格」と言えます。

買う事は、応援する事。

この様に考えると、安いから、お得だから、というのとは違った視点で見れますね。

一番は、やはり関税はゼロではなく、適切な水準にあるべきで、その為には、

木材貿易の税のあり方に対する見直しが必要です。


他にも「FSC認証」という持続可能な方法で管理された森から伐採された事を証明する制度があり、

FSC認証された木材や紙を、国、企業、国民が選んでいく事で、結果的に、

人の手が入っていない貴重な天然林や、保護区域で伐採禁止の森を守ることにつながっていきます。



と、こんな感じで、このインドネシアの旅日記は、環境のお話なども一緒に記載してきます。

旅日記を読んだら、ついでに環境も学べてしまう、という形にしました。

全7ページで、少し長くなるので、無理に一気に読まずに、時間のある時に息抜きで見てください。

環境のお話が長くて息抜きにならない、という声も聞こえてきそうですが気にしません。w

ということで、もう1つ環境のお話を先にしちゃいます。




環境のお話 2 :PM2.5


大気汚染物質のPM2.5(Particulate matter 微小粒子状物質)は、直径が2.5マイクロメートル以下の

超微粒子です。(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル。)

下の図の様に、人の髪の毛の約20分の1から30分の1という、とっても小さい物質です。
出典:アメリカ EPA(環境保護庁)

自動車の排気ガスや火力発電所、火災など、物が燃える事などによって発生します。

とても小さい為、肺の奥まで到達し健康に悪影響を及ぼします。



PM2.5は大気の流れによって状況が変化します。

春先、温かくなってくると、中国から偏西風の影響で、数値が日本の環境基準を超える程高くなります。

その状態は、春だけでなく夏場も続き、涼しくなる秋の終わりごろから、落ち着いてきます。

また、雨が降ると大気中のPM2.5は減ります。


なぜPM2.5の話をしたかというと、出発前の8月上旬に、ボルネオ島一帯で数値が上昇していた為です。

数値が上昇したのは森林火災が原因で、一般的に大気汚染がひどいと言われている中国よりも

この時は高い汚染状況となっていました。 (画像下部の赤みが強い辺りがボルネオ島)

出典:PM2.5まとめ

上図は正確にはPM2.5の予測図なのですが、普段あわせてみている自治体の実測値も

概ね同じ程度なので、ほぼ実測値と見ています。(参考:自治体測定値 PM2.5速報・対策 )


かつて社会問題として話題になったアスベスト(石綿)も、その細かな繊維が肺の奥まで

到達するという点で同じで、数十年後に中皮腫、肺がん、じん肺など、様々な病気を発症する事が

分かっています。また煙草も肺がんの原因になります。



その他、炭鉱や製紙業、石切業、トンネル工事、建造物解体など、粉塵が多い場所で働く人に多い

塵肺(じんぱい)という症状も、やはり肺の中に異物が入ってしまう為に起こります。

一時期話題になったロケットストーブの断熱材に使われるパーライトも、私は注意したほうがいいと

思っています。(実際に投入現場を見ていた際、空気中がきらきらしていました。)


呼吸によって体内に入る小さな異物は、気管支で粘液に捉えられ、線毛(せんもう)によって、

のどの方へ押し出されていくという防御機能がありますが、更に小さい物質は奥の肺胞に到達します。

なので、できるだけ空気を汚さない事が大事です。


空気を汚さない為には、

●自動車の利用をできるだけ減らし、歩き、自転車、公共交通、などの移動手段を中心にする

●火力発電の使用を減らして、太陽光発電などの再生可能エネルギーに転換していく。

●電気の使用量を減らし、省エネを促進する。

●燃やすごみの量を減らす為に、製造者は包装のあり方を見直したり、修理して何度も使える製品を作る。

などが挙げられます。

無駄なものを省いていく程に、きれいな空気が戻ってきます。


ボルネオ島の森林火災については、また後ほどお伝えします。



さて、旅のお話に戻ります。

飛行機の出発は8月25日だったのですが、集合が関西空港でしたので、

前日の24日から電車で移動し、大阪市内で前泊。

青春18切符を使用したので、ローカル線を10回乗り継ぐ、12時間コースでした。 (;゚Д゚)

まぁ、これ位は、鉄分の濃い方(血液中の鉄分の話ではなく、鉄道が大好きな人の事。)からすれば

序の口でしょうが、私にとっては鉄道12時間は初で、なかなか大変でした。


途中、長野県の中津川駅で発見したおそば屋さん。時代を感じさせる趣のある作りで、

ホーム側は3人で一杯になります。反対側の駅舎内にも食べる場所はあります。

ちょうど乗り換え地点で待ち時間があったので、行き帰りはここで食べました。おいしかったです。(^-^)


こちらは電車内から見えた、気になった風景です。

上の写真は、土がむき出しの状態。これでは土が雨で流れてしまいます。

山の切り崩しでもしているのでしょうか。なんとも痛々しい姿です。


こちらも山肌が大きく削られていました。




環境のお話 3 :土壌ができるまで


土壌ができるまでには、母材となる岩石が長い年月をかけて物理的、化学的な作用を受けて破壊、

細分化され、砂状の粒子になり、そこに小さな植物が生え、葉や茎、根、などの植物遺骸が堆積し、

その有機物を、土壌動物や菌類などの微生物が分解し、

分解されたミネラルなどの無機物を、再び植物が栄養素として取り込む、

という流れの中で、徐々に形成されていきます。


と〜っても長い時間をかけてできた貴重なもので、土壌がなければ植物は育たず、動物も集まりません。

土は、全ての命の源です。


かつて足尾銅山鉱毒事件があった、栃木県の足尾の山は、徹底的に自然が破壊されてしまいました。

当時、古河鉱業の工場から排出された亜硫酸ガスによって、周囲の草木は枯れてしまいました。

草木がなくなると、雨によって、土が流れてしまいます。

土があれば、植物は種から芽を出し、放っておいても少しずつ自然は回復していきますが、

土まで無くなってしまうと、種が飛んできても芽を出しません。

その為、過去の人達は、植生盤という、種と土と肥料を混ぜたものを正方形の盤状にして、

それを背負子に乗せて登っていき、岩がむき出しとなった山肌に、貼り付けていくという、

気の遠くなる様な作業をして、少しずつ、自然を回復させてきましたが、それでも

足尾の山は完全には回復していません。


過去の公害による自然破壊から学べる事はたくさんあります。

足尾では今もボランティア団体による森の再生活動が行われていますので、

機会があれば是非参加してみてください。


土について、土壌学者の面白い記事があります。

こちら



また、各地で問題になっている、自然破壊型の太陽光パネルも電車の車窓から見えました。




環境のお話 4 :日本の各地で問題となっているメガソーラー


太陽光発電は再生可能エネルギーとして、これまでの発電方法よりも評価されるべきものですが、

一方で、大規模に森林を破壊するメガソーラーは、生態系の破壊、自然災害の誘発、

景観の悪化、など様々な理由で、日本各地の住民が設置を反対する事態となっています。


例えば、現在、千葉県の鴨川市で予定されているメガソーラーは、山を60mも削り、

沢を80mも埋めて土地を平坦にし、東京ドーム32個分、約150ヘクタールもの森林を伐採、

その木の伐採予定数は約36万本(当初は10万本だったがその後の調査で増加)、

そして太陽光パネル約50万枚を敷き詰めるという日本最大級のメガソーラー計画があります。 

鴨川の山と川と海を守る会


地元住民は反対するも、太陽光発電は環境影響評価法の対象になっておらず、

自然環境にどの程度悪影響があるのかを調査する義務が事業者にはありません。

以下の図は環境影響評価法の対象事業一覧です。
2019年3月時点 出典:環境省 環境アセスメント制度のあらまし

表の赤枠内に、太陽光発電が入っていない事がわかります。

これはまさに環境影響評価法の不備です。

政治家、官僚がメガソーラー事業者の為にこの様な法律にしたとしか言い様がありません。

この悪法に基づき、全国各地でメガソーラー事業が進められ、地元住民と事業者が

争う形になっています。


2019年1月15日、全国から集まったメガソーラー開発の被害者が、国会議員と共に環境省に

要望書を提出しました。この要望に対し、環境省は検討を加速していくという回答でした。


出典: 全国メガソーラーシンポジウム


参考までに、全国で被害が相次いでいるメガソーラー問題についての講演会の映像をご紹介します。



また、森林法の林地開発許可制度という、事業者が森林開発を行う際、知事から許可を得ないといけない

制度もありますが、森林を保護するという面では、全く役に立っていません。

林地開発許可制度も、森林を守れる様な制度にする為、森林法の改正が必要です。


以下、林地開発許可制度
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1.林地開発許可制度の趣旨

森林は、水源の涵養、災害の防止、環境の保全といった公益的機能を有しており、国民生活の安定と地域社会の健全な発展に寄与しています。また、開発によりこれらの森林の機能が失われてしまった場合には、これを回復することは非常に困難なものとなります。

従って、森林において開発行為を行うに当たっては、森林の有する役割を阻害しないよう適正に行うことが必要であり、なおかつ、それが開発行為を行う者の権利に内在する当然の責務でもあります。

林地開発許可制度は、このような観点から、これらの森林の土地について、その適正な利用を確保することを目的としています。

2.林地開発許可制度の内容

(1)許可制の対象となる森林

林地開発許可制度の対象となる森林は、森林法第5条の規定により都道府県知事がたてた地域森林計画の対象民有林(保安林、保安施設地区及び海岸保全区域内の森林を除く。)です。

(2)許可制の対象となる開発行為

許可制度の対象となる開発行為は、土石又は樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為であって、次の規模をこえるものです。

ア 専ら道路の新設又は改築を目的とする行為でその行為に係る土地の面積が1ヘクタールを超えるものにあっては道路(路肩部分及び屈曲部又は待避所として必要な拡幅部分を除く。)の幅員3メートル

イ その他の行為にあっては土地の面積1ヘクタール

(3)許可権者

開発行為をしようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事の許可(自治事務)を受けなければなりません。

(4)許可基準

都道府県知事は、許可の申請があった場合において、次のいずれにも該当しないと認めるときは、これを許可しなければならないとされています。

ア 当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること(災害の防止)

イ 当該開発行為をする森林の現に有する水害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水害を発生させるおそれがあること(水害の防止)

ウ 当該開発行為をする森林の現に有する水源の涵養の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること(水の確保)

エ 当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること(環境の保全)

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出典:林野庁 林地開発許可制度


千葉県鴨川市の事例でも、県知事から許可が下り次第、開発が進められてしまいます。

自治体によっては条例を定めて、メガソーラーの規制をしているところもありますが、

こういった自然環境を守る為の重要な内容については、自治体ごとに条例で定めるのではなく、

国の法律の下で、全国的に森林を保護できる制度を作るべきです。

早急に法律の改正が必要です。


自然環境を破壊しない太陽光発電

太陽光発電は自然破壊型のメガソーラーだけではありません。

既存の建物の屋上や、構造物の壁面に設置するものであれば、自然を破壊せずに済みます。


私がお勧めするのは、「みんな電力」。

みんな電力は、顔が見える発電所という、面白い企画を売りにしています。

発電している場所について、どの様な人が、どの様な場所に設置しているのかが

わかるようになっており、それらの中から好きな発電所を、選ぶ事ができます。

以下はその一例です。

出典:みんな電力


2016年の電力自由化の際、私が選択したのは、みんな電力の

世田谷区の区営アパート屋上に設置された太陽光発電。(下の写真)

太陽光パネルの理想的な設置場所である、既存建物の屋上です。

ここなら新たな自然破壊をせずに済むので選びました。
出典:みんな電力


そして、今、大変注目を集めているのが、ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングは、農地に太陽光パネルを設置するのですが、1つ1つが小型で可動式と

なっており、農作物を作りながら、発電も出来てしまうという、画期的な方法です。

植物は、1日中日光が当たっている必要はなく、ある程度の日光でも十分育つという性質を利用し、

農作物が育つ程度の光が入る様にしています。

以下の写真は千葉県匝瑳市(そうさし)のソーラーシェアリング。
出典:みんな電力


出典:みんな電力


この方法によって、農地は、作物を作るだけでなく発電も出来てしまうという、一石二鳥の

土地活用となっています。

今後日本に次々と拡大していく事が予想されます。


再生可能エネルギーについては、固定価格買取制度の再生可能エネルギー発電促進賦課金が、

不公平という意見があります。

しかし、原発爆発後の事故処理費用や、東京電力への公的資金投入、使用済み核燃料の維持管理などなど、

原発維持のためにも大変な税金が使われています。しかもその金額は今後さらに増える事が予想されます。


事故処理のための費用は言うまでもなく必要ですが、これ以上同じ過ちを繰り返さない為にも、

再生可能エネルギーを普及させた方が良いのは明らかです。

再生可能エネルギーが普及する事で、日本のエネルギー自給率は向上し、

将来的に、燃料購入のために日本のお金が海外に流れ出る量も減っていきます。


是非、これまでの火力発電や原子力発電から、再生可能エネルギーへの転換を一人一人が積極的に

してほしいと思います。

脱原発を望んでいても、原発を利用する電力会社から電気を購入していては、

結果的に、原発を選んでいるという事と同じです。

この様に考えると、一人一人の力はとても大きいのです。


*固定価格買取制度

再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。

電力会社が買い取る費用の一部を、電気を利用する国民から賦課金という形で集める。この制度により、

発電設備の建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、再エネの普及を促します。

ちなみに現在は世界的に再生可能エネルギーの導入が進んでおり、発電設備の価格は大きく低下、

発電に必要な経費は、すでに火力発電と同等程度まで下がっており、さらに火力発電よりも下回るのは

時間の問題とも言われています。



旅の話が遅々として進まず、環境のお話が続いています。(^-^;)

でもこれらはとても大事な事で、日本や世界で起きている色々な環境問題がわかります。

是非、飛ばさずに見て欲しいと思います。


環境問題を踏まえた上で、国や企業は事業方針を決めていけば、最初から有利な選択をする事になります。

国際的な流れから、環境負荷の高いものはいずれ法律で規制されてきます。

途中で頓挫する様な道を選ぶのは賢い選択とはいえません。

時代の変わり目は、考えようによっては、他を追い越す事ができる絶好の機会ともいえます。


今の時代、環境への配慮ができてはじめて、世界と太刀打ちできる国、企業、です。

原発の様な、国策で守られている事業が破綻するのは時間の問題です。

福島の原発事故後、性懲りもなく、国策として世界に原発輸出をしようと計画してきましたが、

全ての計画が実現しなかった事を見れば明白です。

国内では一時的に原発維持ができたとしても、海外には通用しません。


では、話を戻します。

夕方、大阪の天王寺駅前から発車する、阪堺電軌上町線で面白い光景を見ました。
なんと路面電車の貸切!中では宴が始まろうとしていました。 

この時は、金曜日の夕方18時30分ごろ。通勤客が最も多い時間帯です。

天王寺駅前は大阪駅から電車で約30分。片田舎というわけではありません。

関西の首都圏で、最も混む時間帯に電車の貸切とはすごい発想です。

始めてみた光景に、関東と関西との文化の違いを感じました。


12時間の電車での移動を終えて、この日は堺市のカプセルホテルで一泊。


明けて翌8月25日。

8時50分、関西空港に集合。

森を守る団体ウータンの募集に集まった参加者総勢18名。(一部の人は他の空港で合流)

出発までの待ち時間に、簡単な自己紹介をして飛行機に乗り込みました。

シンガポールで乗り継ぎ経由して、ジャカルタへ。

食事はお昼、夕方共に機内食でした。

私は肉や魚を食べないベジであることを事前に伝えていたので、ベジ対応の食事が出ました。


8月25日は飛行機の移動だけで終わりました。

ジャカルタ空港に着陸する前に、千と千尋の神隠しの映画で使われた曲「いのちの名前」が

機内で流れていました。この曲は私の好きな曲です。

機長さんがなぜ私の好みの曲を知っていたのかは不明ですが、

照明を落とした機内の雰囲気とあっていてとてもよかったです。


ジャカルタ空港に到着したら、町に出る事もなく、そのまま空港のホテルに向かい宿泊手続き。

部屋は一般的なホテルの一室で、きれいなお部屋でした。

エコツアーに参加した年配の男性と相部屋でした。

夕食も機内で済ませていたので、シャワーを浴びてすぐに就寝。

移動だけなので写真がほとんどありませんが、翌日以降、乞うご期待。


その2へ続く




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