竹林の会





活動報告 平成28年(2016年) 6月5日(日)






河川の水質調査 竹林整備


埼玉県生態系保護協会の方と一緒に、緑川の水質調査に行ってきました。

1箇所目は、蕨市の塚越ポンプ場近く。
京浜東北線蕨駅と西川口駅の間の西川口寄り沿線です。


ぱっと見た感じは水も河辺もきれいでした。

調査は気温、水温、ごみの有無、臭い、透明度、COD(化学的酸素要求量)です。


一見ごみはないかと思ったのですが、よく探してみると、わずか数分で、
小さいごみが20〜30個、川の中や、河辺で見つかりました。

小さいごみといっても、それは人間の目線からで、
小さい昆虫や魚から見れば、体と同じ大きさくらいのごみです。

きれいに見える川も、人間が出したプラスチック片やビニールなどの小さいごみが
あることに心が痛みました。



水の透明度は、アクリルの筒に水を入れて、上から十字の印がついたものを吊り下げ、
それを少しずつ動かしながら、どの程度の深さでその十字が見えるかを
測定するというものでした。


このやり方で見ると、本当の水の濁り具合がわかります。

十字の印がついた円状の物は糸で結び付けられ、糸を引っ張れば上に上がり、
糸を緩めると、円筒状の中を下に下がっていきます。

こうやって見ると、水は結構細かい浮遊物が浮いていて、
実際は本当に透明ではないのがわかります。中々興味深い作業です。



COD(化学的酸素要求量)の測定は実験道具を使います。


小さく細長いプラスチック容器の中に、試験薬が入っていて、
本体を丸めて一度空気を全部出してから水につけて、水を中に入れます。


数分経つと、水の色が変わってきます。
それを表と見比べて同じ色の値を見て、測定しました。


このすぐ近くに、下水処理場があるのですが、雨になると排水量が増加し、
下水処理能力を超えるため、処理しないまま、川に排水されているそうです。
下水場があれば、全てきちんと処理されているものだと思っていましたが、
実際はそうでないことを知り驚きました。


一通り作業を終えて、片づけをしていたら一緒に作業していた方が、
落し物を見つけました。


この柵の内側に、数冊の本と一緒に、免許証や保険証、キャッシュカードなどがまとまって
落ちていました。おそらく財布を盗まれ中身が捨てられたものと思われます。
拾って洗い、警察に届けることにしました。



2箇所目は、戸田市と蕨市の境の辺りです。


この場所は暗渠(あんきょ)でコンクリで川にふたがされている為、
上からバケツで川の水をすくって調査しました。

先ほどの場所とは違い、ごみが河辺にたくさん落ちていてひどい状態でした。


お菓子の袋や、惣菜の容器、ペットボトルやたばこの吸殻など、
まるでゴミ捨て場の様に、まとまって落ちていました。

人の心と川との距離が大きくなるほど、こういうことになる様な気がします。

周辺にいる生き物達にどういう影響を及ぼすのか、そういったことを考える事ができない
心無い人の行為です。

川は海とつながり、海にどんどんごみが流れてしまいます。

海に流れ出たごみが分解されずどんどんたまり続けていることが大きな問題となっています。

プラスチックスープの海
http://tree.bakufu.org/jouhou20150318b.htm



生き物達がごみをえさだと思って誤食してしまうことを想像するだけでも心が痛いのですが、
それだけでなく、プラスチックごみは海に流れ出た化学物質を吸着する効果を持っているため、
誤食した生き物が毒を摂取することと同じ結果になってしまいます。

生き物の体内に入った毒素は、食物連鎖の中で、毒素が高濃度になる生物濃縮効果があります。

http://tree.bakufu.org/zakki20100213.htm


結局巡り巡って人間の体に悪影響を及ぼすことになります。
ごみは自然界に捨ててはいけません。



3箇所目は、調査の中では最下流の、戸田の菖蒲川と緑川が合流する地点です。


ここも川の近くまで降りる事はできないので、橋の上からバケツで水をすくって測定しました。
透明度は3箇所の中で最下流という事で一番悪かったです。

橋からの距離もあったので、細かいごみは見当たらなかったのですが、
粗大ごみが見つかりました。自転車や、大きな箱型のものなど、複数落ちていました。
わざわざ橋の上から投げ落としたとしか思えません。
わずかな収集費用を出し惜しみして川にごみを投げ入れる気が理解できません。



調査が終わりお昼を取った後は、竹林に行って整備作業を行いました。

前回に引き続き、切り株除去です。
午後から仲間が応援に来て一緒に作業をしました。

これまで続けて作業をしてきたこともあり、竹林内の切り株は
だいぶ取り除くことができました。
蚊の発生もこれまでに比べてだいぶ減ることと思います。

その後は、植物観察を行いました。


色々話をしていたら、今度樹名板を作ろうということになりました。
どうやって作ろうか今検討中です。



ガクアジサイ(額紫陽花)がきれいに咲いていました。



*河川の水質調査は、荒川クリーンエイドが実施しているものです。
川の調査をして見たい方はこちらを参考にしてみてください。

荒川クリーンエイド 水辺のごみ見っけ





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