内閣府の原子力安全委員会は11日、福島第1原発事故について、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレル(ベクレルは放射能の強さ。1テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質を放出していたとの見解を示した。現在は1時間当たり1テラベクレルほどまで落ちているとみている。
数万テラベクレルは原発事故の深刻度を示す国際原子力事象評価尺度(INES)の最も深刻なレベル7にあたる。今回の事故は数時間の放出でレベル7に相当するため、現在レベル5としている政府は、引き上げの検討に入った。過去に発生したレベル7の事故には86年のチェルノブイリ原発事故がある。
INESは、程度の低い方から、レベル0〜7の8段階に分類している。スリーマイル島原発事故(79年、米国)はレベル5、茨城県東海村で起きたJCO臨界事故(99年)はレベル4とされている。