小さな植林隊
雑記 2009年3月23日(月)
春の水元公園 3月15日(日)に葛飾区の水元公園に行ってきました。 天気は晴れ。 ぽかぽか陽気の中、午前中が鎌の研ぎ方と草刈、午後に自然観察をしました。
まず鎌の砥ぎ方です。 私が今まで習ってきたやり方とは違い、鎌の刃を自分に向けて砥ぐ方法でした。 写真の通り、右足で柄を固定し、さらに左手で刃を固定させ、 右手で砥石を持って刃を研ぎます。 一見、刃が内側に向いているので、砥ぐ際に手を切ってしまいそうな感じがしますが やっている時はそんな不安はありませんでした。 むしろ、とてもやりやすく、砥ぐ角度もつけやすい方法でした。 また今回は草を刈る前に砥いだので、その切れ具合も確認できました。
さらに場所を移動。 左の写真の左端に枯れた葦(あし)がたくさんあります。そこを刈り込みました。 背が大きい葦を刈るとなかなか爽快です。 ただ、ここで注意しないといけないのが、人間が手を入れるということは、 生物にとっては単なる環境破壊ということです。 この葦を刈り込むと一面がすっきりしますが、 実はこんな枯れた葦の中にいる昆虫を食べに来る鳥が存在します。 この葦を刈ってしまうと、昆虫にとっては住む場所が、 鳥にとっては餌場がなくなってしまいます。 また葦が境界線となり、その奥にある池に鳥は飛来しやすかったのが、 境界線がなくなることでそれも変わってきてしまいます。 見晴らしが良くなるということは、動物や昆虫にとっては隠れ場所がなくなる、 つまり住みにくい環境になるということです。 人間からの一方的な目線だけでなく、動物や昆虫などその他の生物の目線に立った 手入れの仕方が大事です。 その為、今回はこの葦は全部刈るのではなく、一部を残しました。 のんびり草刈をして午前中は終わり、お弁当を食べた後、午後の観察会に移りました。 足元の草花から小さな春の訪れを感じました。
つくし、久しぶりに見た気がします。ちっちゃくてかわいいですね。 つくしは漢字で土筆と書きます。 つくしの本体は杉菜(すぎな)と言い、竹の様に地下で繋がっています。 つくしはその胞子茎というもので、先端からは胞子がでます。 つくし自体は単体の植物ではなかったのですね。 ちなみにてんぷらにして食べられます。
ふき(蕗)は写真の通り、花の部分は小さな花の集合体です。 ふきのとう(蕗の薹)という言い方がありますが、 とう(薹)は花をつける軸、花茎(かけい)であり、 植物の名前としてはふきのとうではなく、ふき(蕗)が正しい名前です。 また「薹が立つ」という諺(ことわざ)がありますが、 ふきは花茎が伸びると堅くなって食べごろを過ぎてしまうということから盛りを過ぎる、 何かをするのにちょうどいい年齢を過ぎる、という意味で使われます。 日本語って面白いですね。
道端に瑠璃色の小さい花をよくみかけますが、これはオオイヌノフグリといいます。 早春に開花する為、ほとんど競合相手がいないので、明治に渡来してからわずかの間に 日本中に広まりました。 2年草ですが、花の寿命は1日で、朝日と共に開き、日が傾くと同時にしぼみ始めます。 ちなみにフグリは陰嚢(いんのう)という意味で、玉袋です。 在来種のイヌノフグリというのがありますが、それと形が似ており、また一回り大きいので、 オオイヌノフグリという名前になりました。 花がしぼむ時におしべとめしべがつくという、自家受粉をする花です。
この花もちいさくてかわいい花でした。 1年草です。 オドリコソウ(踊り子草)に比べて小さいのでヒメオドリコソウ(姫踊り子草)となりました。 花の形が傘をかぶった踊り子に見えるので踊り子草といいます。 是非機会があったらじっくり見てみてください。 その他にもたくさんの植物が存在していました。 普段は雑草という一言でくくられてしまうようなものも、実際はちゃんと名前を持ち、 特徴もあります。 植物に詳しい先生が案内してくれると、ただの雑草と思っていたものが雑草ではなくなり 楽しく観察できます。 早春の暖かい日差しの中、ゆっくり探索してみると色々発見があって面白いですよ。(^-^) |