竹林の会/小さな植林隊





活動報告 平成25年(2013年) 4月14日(日)





第2回 竹遊び


平成25年4月14日(日)12時30分〜14時30分まで、
昨年に引き続きお寺のお庭で、竹で作った道具で遊ぶ催しを行いました。
竹の道具で遊んでもらった後15時から15時30分まで、
お寺の「花祭り」(仏教の祖のお釈迦様の誕生を祝う行事)を行いました。

この催しは、竹林の会で整備している竹を使った道具で遊んでもらい、
自然の物の楽しさ、良さを知ってもらうところから、
自然を大切に思う人が増えてほしいという竹林の会側の想いと、
日本に古来から伝わる伝統行事の花祭りにできるだけたくさんの人に参加してほしいという
お寺側の想いから共同開催されています。

竹遊びは昨年よりも道具や内容を増やしました。昨年用意した物、

竹の輪投げ
竹の剣玉
竹ぱっちん
むくろじの種運び
竹ぽっくり
竹馬
竹琴
竹のぎゅろ
竹のマラカス

に加えて、今年は

竹鉄砲、
竹おきあがりこぼし
竹がりがり
エコバック作り体験
竹林の案内

を追加しました。


今年は参加者を増やす為に、色々な人に声をかけ、
お店や学校などにも掲示用の案内を作り貼ってもらうようお願いしました。
その結果、100人位の親子が参加してくれてにぎやかな感じになりました。

運営側も20人以上の方々に協力していただきました。
環境ロドリゲスecoSMILE(環境×教育)、RECのみなさん、
地球温暖化防止活動推進員のみなさん、元青少年相談員の方、
生態系保護協会の方、職場の同僚、自然創生しんぽの方、お寺の檀家さん。
ちらし作成には蕨戸田青年会議所の方が協力してくれました。

現場を担当してくれたみなさんは、普段子供と接する機会がある方や、
過去に経験した方が多く、参加した親子に上手に対応してくれていました。



私は主に竹林の案内を担当していました。
これまで竹林がとても荒れた状態になっていたこと、竹の特性、
樹木のこと、環境のことなどをお話しました。

筍も少し生えていました。
前日下見に来たときから5cmくらい伸びていました。
筍の生長はとても早いのです。
大体2ヶ月位で一気に大人の高さまで成長します。
みんなそのことを知るととても驚いていました。

竹は毎年生えてくるので、とてもすばらしい再生可能な資源なのです。
身の回りにある様々な製品、鉄やプラスチック、ガラスでできたものが
竹に置き換わると、地下資源やエネルギーの節約、そしてごみ埋立て場の延命、
生態系の保全などにつながっていきます。

たくさんお伝えしたいことはあったのですが、時間設定が短かったので、
来年は時間と内容をさらに充実させたいと思っています。



また、整備するのに竹の枝と本体で分けていますが、
枝を積んだ自然のトランポリンにも乗ってもらいました。
子供達はとてもよろこんでいました。

この時期の竹林は、晴れているとすがすがしく気持ちいいです。
今年来れなかった方は、是非来年遊びに来てください。


15時からはお寺の本堂で、お花祭りが開催されました。
今年はたくさんの一般客が参加してくれました。

お花祭りは仏教の祖のお釈迦様の誕生を祝う催しで、
仏教国である日本ではどこのお寺でも開催されます。
(最近は行わないところもあるそうですが)

ご住職がお経をあげ、参加者は焼香と、お釈迦様に甘茶をかける体験をしました。
終わった後は、ご住職から説法がありました。

大事な言葉を3つ教えてくれました。その中の1つ、忍辱(にんにく)。
忍辱とは、様々な困難に耐え忍ぶこと、我慢することだそうです。

今の世の中を見ると、我慢という言葉が消えている気がします。
権利を主張することばかりがいいことのように言われています。
また、様々な困難や不便を、技術で解決していくことばかりが賞賛されています。

しかし、我慢を失った人間は単なるわがままな存在でしかありません。

権利を主張することや困難不便を解決することは悪いとはいいませんが、
一方で、義務や責任についても考えなければなりません。
相手側の権利についても配慮が必要です。

また困難不便を技術で解決することによって、
周りの環境ににどういう影響がもたらされるかまで考えることが必要です。

世の中思い通りに行かないことのほうが多いのが普通です。
思い通りにいかなくても、キレない人、投げやりにならない人を育てていくには、
我慢することの経験が大切です。
我慢や困難は人を育てます。

説法は、道徳心を育てる大切なものだと思います。
昔から語り継がれてきた大事な言葉を聞ける機会が増えるといいですね。

説法が終わった後は、参加者に甘茶を飲んでもらいました。
子供達は甘い!といっていましたが、中には、渋みがあるほうがおいしいといっていた子も。笑
甘茶は砂糖などいれなくてもとても甘いお茶です。
是非機会あればお試しください。

このような感じで、竹遊び、お釈迦祭りは無事終わりました。
参加者が何か感じ取ってくれたら幸いです。


今回、竹林を案内しましたが、自然がある程度の面積で残っている
この場所は戸田では貴重な場所だと思います。
私はこの竹林に来るといつも田舎や旅行に行った気になります。
この竹林の隣には第三市民緑地もあり、そちらを見ると
空の青さと、樹木の葉の緑がつながっています。

自然があると心が癒されます。

鳥や虫の声、
花の色、
草の匂い、
風の流れ。

自然はたくさんの命を育みます。

季節の移ろいの中で、私達の感情に働きかけます。

命あふれるにぎやかさ、命が消えていく寂しさ。

自然は時にやさしく、時に怖い存在となります。

私達人間が日々の生活の中で、困難なことにあった時、
自然の中に入れば、気持ちが落ち着きます。

自然の中では、ただただ時が流れているだけです。
静かで泰然としています。


人が便利になる為にたくさんの自然を破壊しています。
自然を破壊するということは、そこにすむ様々な生き物を殺すということです。

便利なことも大切ですが、一方で、地球上には人間以外にも
たくさんの生き物が存在することを忘れてはいけません。

様々な生き物はそれぞれ役割を持っています。
私達人間に直接関係なくても、自然界にはなくてはならない存在です。

今、地球上の様々な生き物が絶滅の危機にあります。

昨年(2012年)、カワウソが30年以上前に目撃されたのを最後に、
姿が見られていない為、絶滅したと認定されました。
今の川の現状を考えれば、それも当然と思えてしまいます。

私達の知らないところで、声を出さずにひっそりと消えていってしまうことほど
悲しいことはありません。

種が絶滅したら、もう二度と、その生き物はこの地球上に姿を見せることはありません。

この先100年経ったとき、色々な生き物が、図鑑やインターネットの画像でしか
見れない世の中にはしたくありません。

そのためには、それぞれの地域で少しずつ、生き物が生きていける自然環境を
残していくことが大切です。
少しずつ残していくことの積み重ねでたくさんの自然を残すことができるようになります。

戸田市は航空写真から見ると緑地がとても少ない状態です。
GOOGLEマップで見てみてください。
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl

ベッドタウンとして、マンションがどんどん建てられ、駐車場が増え、
道路の幅も何十年も昔に作られた区画整理事業が進行中で、今後拡大していきます。

つい先日も、戸田駅の東口前にあった、それなりの広さを持った梅林がばっさり切られ、
アスファルト、コンクリートで埋め立てられてしまいました。

戸田市のマスタープランや、町づくり計画の文言には必ず、
「緑あふれる町」などと謳っているのですが、現実は全く逆行しています。

戸田駅西口は工場が取り壊され、何ができるかと聞いたらパチンコ店が増設されると
市の職員は言っていました。地権者の土地だから地権者が自由に使えると言っていました。
3年位前に戸田駅西口駅前のまちづくり協議会に市民として参加し、
駅前に森を作ることを提案しましたが、残念ながら取り上げてもらえませんでした。

自然がなくなっていくことで、私達人間にも影響が及んでいます。

例えばヒートアイランド現象。
夏場、コンクリートやアスファルト、車などに熱がたまり、
夜になっても町全体が冷えず、さらに昼間の気温が上がってしまう現象です。
ヒートアイランド現象によって、熱中症で亡くなる方も増えています。
2007年8月に記録した日本の最高気温は40.9度。
(埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市の2箇所)

昔の夏はこんなに暑いものではありませんでした。
土があり、草木があることで、水分の蒸発による気化熱が、町全体を冷やしてくれました。
木陰が暑さをやわらげてくれました。
夜になれば風が流れ、窓を開ければ、虫の声と共に風が入ってきました。

しかし、今は変わってしまいました。

ヒートアイランド現象の暑さから逃れる為、ますます、エアコンなどの冷房器具を使用し、
エネルギーを使う量が増えていきます。
そしてエネルギーを使えば使うほど、温室効果ガスや、酸性物質を大気中に増やし、
地球温暖化や酸性雨を降らせる原因となります。
気温や雨量が変わることで、自然の実りの収穫が減り、食を脅かすことにつながります。

また、膨大なエネルギーをまかなうために、日本はたくさんの原子力発電所を作り、
そして2011年3月に福島第一原子力発電所が爆発してしまいました。
自然界に大量の放射性物質が撒き散らされ、今も流出が続いています。
食物連鎖の中で生物濃縮により、様々な生き物に放射性物質が濃縮され、
そしてそれを食べざるを得ないという、状況になっています。

私達の暮らしを、目先だけの判断で快適にしようとすることは、
将来的に、私達人間の生活を脅かすことにつながっていきます。

本当に今のままでいいのか。
まるで最後の世代の様に、資源を浪費し、廃棄物を出し続けてていいのか。
私達一人ひとり、そして社会全体の仕組みを改めて考え直す必要があるのではないかと
常々思います。

昨年夏、裸足で道路の上に立ってみました。
アスファルト、コンクリートでできた道路はとてつもない熱さです。
熱くてじっと立っていることができないほどです。
道路の上に裸足で立つ機会は普段あまりないと思いますが、
夏の砂浜に裸足で立った時のことを思い出してもらえれば
どれだけ熱いか想像できると思います。

人間は靴を履いていてわかりませんが、
犬や猫、そのほかの生き物全ては靴を履いていません。

その熱さがどれだけきついものか。

どこへ行ってもアスファルト、コンクリートばかりの町ではなく、
身近なところに自然を増やして、他の生き物、そして私達にとっても
暮らしやすい町にしていきたいですね。







戻 る





TOP