竹林の会





活動報告 平成24年(2012年) 4月8日(日)





竹遊び


平成24年(2012年)4月8日(日)、12時30分から14時40分まで
私たちが竹林整備をしているお寺のお庭で
お釈迦祭りというお釈迦様の誕生を祝う行事にあわせて、
竹遊びを提供しました。お寺との共催は初めてです。

多くの人が運営側で協力してくれました。 竹の遊びの説明中。

今回用意したのは、

竹の輪投げ
竹の剣玉
竹ぱっちん
むくろじの種運び
竹ぽっくり
竹馬
竹琴
竹のぎゅろ
竹のマラカス

です。
昨年のお祭りで使ったものは、多くがかびてしまったので、
この日のために新しく作り直しました。
また、新しい遊び道具も追加しました。

広報は、町会への案内と檀家さんへのお知らせにとどめました。
一番の不安は、どれだけの参加者が来るかわからないというところでした。
たくさん来すぎても困るし、全く来ないのも困る。
初めてのことなのでわからないのは当然ですが、だからこそ挑戦してみることに意義があります。

結果的に参加者は20名程度でしたが、遊び始めるとずっと遊んでいる子が多く、
反応は非常によかったと思います。
竹の遊びは昔の遊びではありますが、今の子供達にとっては逆に新鮮な遊びです。
自由に遊べる空間が少なくなってしまった現代では、貴重な場所だったのではないかと思います。

手前は竹ぽっくり。奥で竹の剣玉。

戸田の町も含めて、どこの町でも、都市部の多くは自由に遊べる空間が少なくなっています。
町を改めて子供の視線で見てみるとわかりますが、全て区分所有され、
マンションやアパート、一戸建てなどの住宅や、駐車場、道路、商業施設、
公共施設がほとんどです。全てが仕切られ、管理された空間です。

ところどころにある公園は、鉄の遊具がおいてあるだけの殺風景な広場で、
遊ぶ内容も、〜遊びはいけないという制限があります。
子供たちはどこで遊べばいいのでしょう?

普段子供たちを見かけると、3人集まってゲームの対戦を無言でおこなっていたり、
ブックオフで立ち読みだとか、カードゲームでの遊びなど、
外で活発に動いているという姿をあまり見かけません。
そもそも外で遊べる場所がないから当然です。
立派な屋内の施設もありますが、いつもいつも室内で遊んでばかりではよくありません。

自由に遊べる空間が近くにないことは、子供たちの運動神経や
創意工夫などを発達させる機会の喪失ということにつながります。

また、自然と触れ合う機会がないということは、自然に対しての理解ができないまま
大人になってしまうということにもつながります。

自然が汚いもの、むやみに怖がる対象と考えてしまうと、
自然などないほうがいいという発想にもつながります。

自然とは、動物や植物、昆虫など様々な生き物で構成され、それぞれ役割を持って生きています。
無駄に殺していい命はありません。
生きているものをよく観察すると、それぞれに特徴を持っていて興味がわいてきます。
そういうことができる機会、場所を、今を生きる大人は残していく必要があります。

東京の上空からの映像を見ると、見事に灰色の町となってしまっているのが一目でわかります。
コンクリートで覆い尽くされたのが、都市です。
そこには、人間以外の生き物はほとんど存在しません。
本来そこにいたであろう様々な生き物は姿を消してしまいました。

そしてそれは都市部だけではなく、郊外や地方へも都市化がどんどん広がっています。
自然があるところが切り開かれ、住宅ができ始めると、それにあわせて
駐車場、道路、商業施設、公共施設がどんどんできていきます。
のどかで自然豊かな田舎の風景は、時間の経過と共になくなっていきます。

自然は無限ではありません。
東京都内の自然がほとんどなくなってしまったように、
戸田市の自然がほとんどなくなってしまったように、
無秩序に、開発という名の自然破壊を続けていれば、いずれ、時間が経ったときに
全てなくなってしまいます。
自然の保全はとても大事なことです。

生物多様性の重要さが認識され、地球温暖化という気候変動も問題となっている中、
それらを解決するには、今の私たちの生き方、つまり資源やエネルギーを浪費し、
大量にごみを出し続ける生活、経済の仕組みを見直していく必要があります。
人間だけの快適さばかりを追求している今のあり方は、将来に大きな負の遺産だけを
残してしまうことになります。

自然があり、自由に遊べる空間を残していくことは、非常に重要です。


竹の遊びが終わったあとは、妙顕寺のお釈迦祭りにみんなで参加しました。
甘茶をお釈迦様にかける行事です。
立派な本堂の中で、お経が読み上げられ、
日常では接しない日本の文化に触れることができました。
法衣を纏ったご住職は貫禄がありました。
また大事な説法も聞けました。
打ち上げの宴会の場での檀家さんとの交流も楽しかったです。

今回の妙顕寺での試みは、とても重要なものだと思っています。
今後も継続して、子供たちが自由に遊べる場、自然と触れ合える場の提供を行い、
自然に対しての理解を持った大人が増えるようになっていくといいと思っています。
同時に大人の人にも楽しんでもらい、自然のよさ、自由に遊べる空間の大事さを
知ってほしいと思います。

たくさんの方が運営側で一緒にお手伝いして頂きました。
おかげで子供たちに対して丁寧に接することができていました。
どうもありがとうございました。

むくろじの種運び。集中力が試されます。 一番人気の竹馬。運動神経が養われます。






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