小さな植林隊

活動報告 平成22年11月26日(金) 埼玉県岩槻

どんぐり拾い



どんぐり拾い


この夏は記録的猛暑で、森のどんぐりがならず、また昆虫なども少なかった為、
熊がえさを求めて人里に下りてくるということがありました。

人里に下りてくるということは、人と遭遇してしまえば、猟師に銃で撃たれて射殺されます。
2006年にも台風が日本列島を何度も通過した為、
どんぐりが実る前に落ちてしまい、たくさんの熊が人里に下りて射殺されました。

地球温暖化、ナラ枯れなどの広葉樹の枯れが全国的に起こっており、
ただでさえ絶滅危惧種で貴重な熊が、これ以上、殺されて数を減らすのを見過ごすことはできないと
日本熊森協会というところが、都市部などの無駄になってしまっているどんぐりを
全国から募集し、集めたどんぐりを山に届けるという活動をしていることを知ったので、
私もそれに協力しました。

11月14日(日)から11月28日まで約2週間、毎朝6時過ぎから1時間位、
自宅そばの後谷公園でどんぐり拾いをしました。
公園では小楢や樫の木のどんぐりがたくさんありました。
どんぐり拾いをこんなに本格的に続けたのは初めてです。
大体毎朝1kgくらい拾えました。
拾ったどんぐりは、ベランダで日に当てて乾燥させます。
輸送中にかびが生えないようにする為です。


どんぐりは毎日少しずつ、風に揺られて落ちてくるので、同じ木の下に行っても
毎朝必ず落ちています。
拾っているときにも、ぽとっ、ぽとっ、と落ちてきます。

最初は一人でやっていたのですが、そのうち、朝散歩している方々と話すうちに
一緒に手伝ってくれる人が増えました。
こういうところもやっていて楽しかったですね。



さて、表題の11月26日は、農商工連携講座で知り合いになった方と、
どんぐり拾いの話をしたところ、農作業している庭にたくさん落ちていると教えてもらい、
そこへ拾いにいってもいいということでお邪魔してきました。


大きな樫の木がたくさんのどんぐりを落としています。

じゃん!無数のどんぐり!大木からの量はすごいです! お嬢さんも一緒に手伝ってくれました!

農作業の時間を割いて2時間くらい手伝ってくれました。
感謝です!

その後も14時くらいまで私はもくもくと拾っていましたが、とても全部は拾いきれませんでした。
集めたどんぐりです。
重さは20kg近くありました。

箒で掃くように集めれば、もっと拾えたでしょうが、
一つ一つ丁寧に、穴の開いたのはよけて、泥も落としながら拾っていたので、
これくらいが限度でした。大きい段ボール箱1箱分です。
近くのドラッグストアで段ボール箱をもらって梱包し、
コンビニからヤマト運輸で発送しました。
コンビニの店員は少し驚いていました。


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さて、この熊森協会のどんぐり拾い活動についてですが、
私が樹恩のメーリングリストに流したところ、反対の意見も出てきました。

簡単に言うと、
生態系の攪乱になるということです。

本来の自然は、気候に合わせて、動物などの生き物は個体数を変えるので、
えさがないからといって、人の手を加えるべきでない、
主旨はそういうものでした。

言いたいことはわかりますが、
しかし、すでに過去に、広葉樹を非常に広範囲に伐採し、
どんぐりや果物が実らない杉、檜の針葉樹ばかりを植えたことや、
道路や建物など、開発という名の環境破壊によって、個体数が減少しているところへ来て、
さらなる追撃として、猛暑による不作の影響で個体数が著しく減少するということは、
絶滅への道へとつながります。
その猛暑も、地球温暖化という、100%ではないかもしれませんが、人間の活動によるものも
影響しているでしょうから、単に手を加えるべきでないという論理だけでは筋が通りません。

全く人の手が加わっていない自然の土地であれば、
人間が介入すべきでないというのはわかりますが。


すでに環境破壊が行われ、弱っているところへ、
さらに猛暑でどんぐりが不作という、緊急事態ということなので、私はどんぐり拾いを行いました。
猛暑でどんぐりが不作だからといって、どんぐり拾いをすべきでない、という論にたどり着くには、
最低限、人間が破壊してきた広葉樹の森を復活させてからだと思います。

そんなメーリングリストのやり取りの中で、
色々私が調べたものがあるので参考までに載せておきます。


以下転載
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鳥取県公園自然課の方とお話をしたところ、
鳥取県では100頭程度を捕獲し、そのうちの2割を殺処分とのことでした。
メールでは27頭とあったので大体あってます。
人への被害は、死亡1件、怪我1件だそうです。
えさを食べれるようにすれば、解決する問題でしょう。

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私は、えさやりはあくまで非常事態としての対処としか捉えていません。
えさやりがどのような結果に結びつくか想定はできます。

また、もし私がくまと遭遇し襲われた時に銃があれば撃ち殺します。
友人がそのような状況で撃ち殺しても当然非難などしません。当たり前です。
住んでいる人が怖い思いをして、殺したくなる気持ちはわかります。

しかし、一方で、熊の個体数の減少も考えなければいけない問題です。
今年10月末の時点で例年の倍近く殺処分をしている状況を考えなければいけません。
このままいけば2006年度の時のように、年度末までには
5000頭近くの熊が殺されてしまう可能性があります。
原因は食糧不足による人里への出現です。

学習放獣でそこそこの効果があるなら、それを活用しながら、
森の恵みが増えるようにしていけばいいと思いませんか?

どんぐりは人間の食べもの違って自然にあるものです。
ケーキやらお菓子などの特別おいしいものというわけではありません。
来年以降、森にどんぐりや実などのえさが増えれば、あえて怖い思いをして
人によってくることもないでしょう。

今年は緊急事態として、まずはえさを与え、命を助けることを優先させるのが大事だと私は思います。
もちろん、人間への被害がないよう配慮しながらです。


猟友会に苦情が来ているそうですが、行政から依頼を受けて
処分しているだけであって、感情論で非難されるのは迷惑というのもわかります。

以前、川崎の動物愛護施設へ視察に行った時に、職員の方の気持ちを聞きました。
一番動物が好きな人が、動物の処分をしなければならない気持ち。
そこへ感情論でくる批判。
おそらく近いものがあると思います。

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私は、攪乱については、生態系破壊時の攪乱と、
生態系回復時の攪乱(遺伝子)の2つと考えます。

生態系破壊時の攪乱は、人間が、もともとあった天然林を破壊して
人工林を大量に植えた時、あるいは開発で自然を破壊してコンクリートの建造物を
作った時などの大規模な破壊です。破壊というよりもそこにすむ生き物の壊滅です。

生態系回復時の攪乱は、それらを元に戻そうとするときの攪乱です。
どんぐり運びはこちらになります。
過去に攪乱された後の、回復のための攪乱です。

予防原則を言うなら、生態系破壊時の攪乱こそ、防いでいかなければなりません。
生態系を破壊するときの攪乱を見過ごして、生態系を回復させるための攪乱だけを抑制していては、
生態系の劣化はどんどん進んでしまいます。

例えば、今話題になっている山口県、祝島の上関原発の建設では、
自然豊かな海を埋め立てて、原発を作ろうとしています。
これこそ、生態系破壊時の攪乱にあたるもので、もっとも避けなければいけません。
あるいは、八ッ場ダムもそうです。とてつもない大規模な攪乱です。
普天間基地も同様ですね。

本来は、と考えると破壊時の攪乱を抑えるべきで、それができなかった以上、
生態系を回復させるためであれば、少々の攪乱(遺伝子)は仕方ないことと考えます。
種の絶滅は二度と回復することはできませんが、
遺伝子の攪乱は後からでも何とかなる、私はこう思います。

SAKUちゃんがデータの引用をしたのでついでですが、
計算がわかる人に今後の見通しをお願いしたいのですが、
熊が現在の殺されるペースの場合、どれくらいの数が存在していれば絶滅は気にしなくていいのか
を知りたいのですが、わかる方いらっしゃいますか?
環境省は日本全体の熊の生息数は把握していません。(まあ無理なことですが)

・熊は冬眠中に1〜2頭の子供を産みます。
・平成10年〜平成20年殺された熊の数(害獣としての駆除だけでなく狩猟も含めて。)を
合計すると25802頭です。平均すると毎年2345頭が殺されています。(熊森の資料より)

日本全国にどれくらいの熊が存在していれば、
毎年2345頭が消えている現実を気にしなくていい数字なのでしょうか?

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熊は、レッドデータで言うと、LP(絶滅のおそれのある地域個体群)なんですね。
・エゾヒグマ=石狩西部、天塩・増毛地方 
・ツキノワグマ=下北半島、紀伊半島、東中国地域、西中国地域、四国山地、九州地方  


四国の生き残りは十数頭ですか。
そこまで減ってしまうともう回復は無理ですね。

単純に十数頭といっても、
雄と雌の比率や、生殖可能な年齢層、近親交配、生息範囲などを考えると
十数頭全部がつがいになれるわけではありません。

これは人間に置き換えるとわかりやすいのですが、
例えば、日本列島に今は1億2万人いますが、宇宙人がやってきて
どんどん殺されてしまい、日本全国に1万人くらいしかいなくなったとします。

そうすると、まず人と出会う機会が相当減ります。
47都道府県で割り振ると各都道府県に、約200人です。
200人の中から相手を見つけ出さなければいけません。

また、運良く出会ったとしても、相手が同姓であったり、高齢、幼少であったりした場合、
子孫を残すことはできません。
そのような状況で、さらに宇宙人は乱開発で、住処やえさとなる樹木などを切り倒し、
さらに追い討ちで、異常気象でたべものがとれない年が増えて、
うっかり宇宙人里に下りてこようものなら、殺されてしまう。

今の熊はそんな状況です。


四国の熊は、トキと同じように時間の経過と共に消えていく運命ですね。。
地理的に、日本がまだ陸続きだったころからの生き残りでしょう。
悲しい将来が見えてしまうのは非常に残念なことです。


>一方で、西中国地域個体群(島根県、広島県北西部、山口県西部)は、 
>480頭くらい(2000年の数字なので少し古いです)と推定されています。 

環境省のデータを見ると、西中国地域個体群(島根県、広島県北西部、山口県西部)の殺処分は

平成18年度:島根28、広島147、山口4
平成19年度:島根4、 広島5、  山口0
平成20年度:島根13、広島38、 山口1
平成21年度:島根1、 広島2、  山口0
平成22年度:島根12、広島63、 山口14 (*平成22年度は10月末の時点)

ということで、平成18年(2006年)〜平成22年(2010年)の5年間を合計すると、
島根58、広島255、山口19、
合計332頭がいなくなっていますね。

2000年〜2005年の殺処分の数字がわかりませんが、
2000年の時点の推定頭数480頭から、上記の5年間で殺された332頭を引くと、
480−332=148頭。
2000〜2005年で何頭減ったかですが、148頭は十分消えうる数字でしょう。
もちろん、子供を生んで増えているという部分もありますが、
しかし、どう考えても危機的状況ですね。


>もし、四国地域個体群で、3頭、捕殺したら、これは大変な影響がでます。 
>一方、西中国地域個体群も、決して個体数は多くはないですが、 
>3頭捕殺したとしても、それが絶滅に直結する、とはいえないですよね。 

四国地域個体群の場合は3頭殺処分しようとしまいと、どの道絶滅でしょう。
西中国地域個体群はどうでしょうか。
3頭だけならという気もしますが、毎年3頭でおさまるわけではないのは、
過去の数字から見てわかります。
例えば広島の数字をみればわかるように、少ない年もあれば、非常に多い年もあります。
そう考えると、殺処分が多い年をなくすことができない以上、
3頭でも減らすべきではないと思います。
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