小さな植林隊





雑記 平成23年(2011年) 3月15日(火)






8217マイクロシーベルト


今朝、福島第一原発2号機の格納容器内、圧力抑制室の
サプレッションプールで爆発音があり、気圧が3気圧から1気圧まで下がったということです。
圧力抑制室は格納容器の一部です。
つまり、格納容器から放射性物質が漏れ出ている可能性が高いです。

毎時8217マイクロシーベルトの放射線量が計測されました。

ちなみ震災後、私は埼玉の自宅周辺でガイガーカウンターで放射線量を
測っていましたが、概ね0.07〜0.09マイクロシーベルト/時でした。
つまり、当時原発付近では、私の自宅付近よりも
10万倍近い線量が計測されていた事になります。



作業員は一部を除いて撤退しました。

今の風向きは北から南へ吹いています。

核燃料は水面から2.7m(燃料の約半分)が出ています。

福島第一原発4号機の建屋に損傷が見つかりました。


重大な事態が進行しています。

さすがにここまでくると危機感が伝わってきますが、
これまでの国内の報道では危機感が伝わらない内容でした。
また、重要なことがいつもどおり隠されています。
情報発信も遅いです。
言葉には必ず、「念のため」というのが枕詞のようについてきました。

965.5マイクロシーベルトの放射線が測定された時点で、
それに対して「ただちに健康に被害が出る程度ではない」、
「周辺の放射線は急激な上昇を示していない」と伝えています。
これは8217マイクロシーベルトが計測される直前のコメントです。

965.5マイクロシーベルトは1年間に浴びる放射線が1時間で浴びる量です。
それは確かに、直ちに、健康への被害は起こりません。

しかし、放射線の怖さは、被曝したその瞬間だけではなく、
時間が経ってからも起こるものです。

大気に舞う放射性物質を呼吸、食べ物、水などを通して体内に入れてしまうと、
その後、その放射性物質の効力(放射能)がなくなるまで、
体の内側から放射線を出され続けます。

放射性物質は様々あり、その放射能も様々です。
例えば、ウラン238は45億年、プルトニウム239は2万4千年、
セシウム135は230万年、クリプトン85は10.8年、トリチウムは12.3年と、
それぞれ違った半減期をもっています。
半減期とは、放射線を出す威力が半分になるまでの期間です。(あくまで半分)

つまりとても長い時間、体の内側から放射線を出され続けます。
放射線がDNAを壊し、それががんや、白血病の原因の一つとなります。
 
だから、すぐには健康に影響がないにしても、放射性物質が舞う環境にいること自体が
大変危険なものなのです。

それを伝えずに、直ちに危険がない、とだけ伝えるのは、卑怯な伝え方です。

何も知らなければ、安心だと勘違いしてしまう表現です。

テレビで東京電力の対応を見ていれば、どのあたりで情報を隠そうとしているか、
記者とのやり取りで大体伝わってきます。

散々、情報を公開することの必要性を、過去のもんじゅ事故、柏崎刈羽原発事故、
茨城のJCO事故等々で感じてきたはずなのに、また同じ事をしています。

つまり、これが原子力発電の限界なのです。
国や電力会社はパニックを起こさないようにと、必ず情報を規制して出してきます。
そのため、本当に大事なこと、今すぐに知らなければならないことが伝わってきません。
大事な事が伝わると、皆が同じ行動をしてしまうからです。
しかしそれは当たり前のことです。みんな本当のことを知りたがっています。
こういう状況になったら、次はこうなる、という予測を立てて行動するのが人間です。
それをさせないようにしているわけです。

平時は情報公開できたとしても、危機の時には、必ず隠す。
これが原子力発電の問題点です。


放射性物質が大変危険で、人間の手に負えないということも
今回のことで明白になりました。
原子力発電は、人間が扱うべきものではありません。
他の発電方法を真剣に考えるときです。





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