竹林の会





活動報告 平成28年(2018年) 12月31日(土)






振り返り 


2011年に竹林の会を立ち上げてから6年間、竹林整備や催しの開催などしてきました。

元々は放置された竹林で、倒れかかった竹がフェンスを超えて道路に出ていたり、
立ち枯れの竹、青竹が密集して生えていて、容易に竹林内に入れないような感じでした。
2009年11月16日時点 (活動前の状態)

2016年5月29日時点

2011年1月29日時点 (第1回目の活動)

2016年5月1日時点

2011年
活動を始めた初期は、とにかく、ひたすら、全力で竹林整備。
まずは林床に転がっているものから片付けていき、歩く場所、作業空間を確保しました。

竹を使って枝と稈(かん:幹のこと)を分離して、稈は長いので3等分くらいに切り分け、
枝は枝でまとめて、稈は稈でまとめて積み上げていきました。
これをやらないとかさばって片付きません。

ある程度作業場所を確保できたら、立ち枯れの茶色くなった竹を中心に間伐しました。
立ち枯れの茶色くなった竹は、倒れ掛かって斜めになっているものも多数ありました。


2012年
活動報告はほとんど記載がありませんが、これは作業をしなかったのではなく、
初期の仲間が夏前までにほぼ皆脱落してしまい、ほとんど一人で作業していた為、
特段報告を載せなかっただけで、実は月の活動回数も増やして一番激しく作業していた時期です。

荒れた竹林の整備は、結構大変で、さらに7月〜10月くらいは蚊も多く、そして暑いので、
普通の都市生活に慣れた人では続かないのは無理も無い、しかも自分の時間を使って
ボランティアでやるのは、よっぽど好きでないと難しいと思い、
あえて新規に声かけもしませんでした。
仮に新たに人を呼んでも、おそらく脱落するだろうと、容易に想像がつくからでした。
それよりもむしろ、ある程度片付いてから、新たに声かけをしたほうがいいと思って
とにかく一人でがんがん作業を進めていきました。

林床に倒れた竹、立ち枯れの竹を片付けるだけで、大分見た目はすっきりして、良くなりました。
作業後の見た目の変化と、境内にいつも掃除に来ている年配の方とのお話が楽しかったですね。


2013年
概ね、枯れた竹の片付けは済んで竹林の景観は良くなったので、
いよいよ生きている青竹の間伐に移り、密度を減らしていきました。
2013年5月4日

青竹は水分をたくさん含んでいる為、枯れた竹よりも断然重く、重労働でした。
生えている竹はモウソウチクですが、太いものになると直径が20cm近いものもあり、
切るのも運ぶのも一苦労。

のこぎりの刃がそれほど長いものではなかったので、太い竹だと刃を動かす余地があまりなく、
なかなかはかどらない時もありました。
違う方向から切って工夫しましたがそれでも大変でした。

それから2012年から、お寺のお花祭りの行事にあわせて、境内の広場で、竹遊びの催しを
はじめたのですが、2013年は竹の遊び道具を増やし、新たに仲間の呼びかけもして、
規模の拡大をしていきました。
2013年4月14日 お花祭りにあわせた竹遊び

そして竹林内に人が入れる感じになったので、たけのこ堀りも広報して参加を呼びかけました。
その際、普段の竹林整備の内容も紹介しました。
2013年5月4日 たけのこ堀りと竹林整備作業の紹介

さらに、戸田市緑地公社と竹の水鉄砲つくりを共同開催。竹林外でも活動するようになりました。
2013年7月28日 竹の水鉄砲作り体験

竹林内が、ひとまず一段落したので、この様に催しに力を入れることができるようになったのが
2013年でした。


2014年
青竹の密度を減らす作業や、竹遊びの催しを継続しながら、
新たな竹の有効活用を探っていきました。
竹の楽器を作って演奏や、竹ひごを編んでストラップ作りなど、他の活動を見に行きました。
また、自宅のエコの庵を使って、竹箸作り体験や流しそうめんを実施しました。
エコの庵では、原発関連の上映会や、弁護士を招いて集団的自衛権の勉強会も開催しました。
2014年8月17日流しそうめん

秋には、市民活動センターのお祭りや、環境フェアにも出店。
2014年10月5日 ふらっと広場 2014年10月26日 環境フェア

初参加の環境フェアは、環境クイズ+竹遊びで臨みましたが、
終了後のアンケートでは出店中1番人気でした。(^-^)/

他に、他の環境団体の公民館での活動や、温暖化上映会の手伝いなど、
協力関係を築きました。
2014年11月15日 公民館で竹のお話 2014年12月14日 北極のナヌー 上映会


2015年
お寺のお花祭りで行う竹遊びの内容に、新たに竹を使ったバンブーダンスと、
境内の緑地を活用したエコ・オリエンテーリングを追加。
バンブーダンスは40本以上の動画を見て調べ、動きを考え、ダンスチームの子達に教えました。
エコ・オリエンテーリングは木の特徴が書かれた地図を元に、境内の緑地を探検し、
隠されたクイズを発見してもらう内容にしました。
これらによって、お花祭りに同時開催する竹遊びの内容をさらに充実させました。
2015年4月12日 バンブーダンス 2015年4月12日 エコ・オリエンテーリング

竹林整備では、竹を腐りやすくするために、竹を割って積み、
カブトムシが来る堆肥化場作りをしました。
竹を割るには、通常、金属の竹割り器を使うのが一般的ですが、
竹で竹割り器を作ってみました。きれいに割れるので爽快です。
2015年5月24日 竹の堆肥場 2015年6月21日 竹割り

また夏の流しそうめんは、学童や子供会など5回実施。
夏休みの良い思い出になったと思います。
2015年7月19日 子供会で流しそうめん 2015年7月26日 エコの庵で流しそうめん

そして秋の市内のお祭りには5箇所に出店。10月は毎週末がお祭りでした。(^-^;)
環境クイズ+竹遊びで、楽しみながら環境問題を学んでもらいました。
2015年10月4日 道満キッズ祭り 2015年10月25日 環境フェア

その他、横浜で実施されている竹の学校の連続講座に通い、他の場所でのやり方を学びました。


2016年
お寺の境内の竹垣を新しく作りました。
四つ目垣、竹穂垣と独自の竹垣の3種類。
2016年3月5日 2016年3月13日

4月のお花祭りと竹遊びには、これまでの内容に、竹の演奏会と竹コップ作り体験を新たに追加。
竹の演奏会は、竹楽器をみんなで作るところから始め、練習を繰り返して演奏に臨みました。
竹コップ作りは、みなさんこだわりを持って作成していました。
2016年4月10日 竹コップ作り体験 2016年4月10日 竹の演奏会

学童では、竹ぽっくり作り、竹水鉄砲作り、うぐいす笛作りを実施。
2016年5月20日 竹ぽっくり作り 2016年8月6日 うぐいす笛作り

市内のお祭りは子供会2つと環境フェアに出店。
環境フェアは主幹事として、市内の小中学校に協力を依頼し、昨年の1校から、
今年は6校が何かしらの形で環境フェアに関わってくれるようになりました。
2016年7月24日 子供会祭り 2016年10月23日 環境フェア

エコの庵では地域猫活動をしている団体と連携して、猫の里親会を7回実施。
2016年11月6日  2016年11月19日

そして除夜の鐘と共に竹灯篭。
大晦日の境内の雰囲気を盛り上げました。
2016年12月31日

色々外に出る機会が増えましたが、2016年も竹林整備は折りを見て進めていました。
竹林は、様々な生き物の拠り所でもあるので、見た目のきれいさ、という人の視点だけでなく、
動物の視点も考え、あまり間伐しすぎないようにし、また、竹林内にある樹木には
太陽の光が当たるように、その周辺の竹を間伐しました。

竹は6〜7年経つと筍を生やす力が落ちてくるといわれているので、
適度に間伐をして更新作業をすれば、毎年元気な筍が取れます。

また篠竹とマダケを2015年に植えましたが、
もしもそれらが不用になった場合、地上に出ている竹を全て伐採するということを
3〜4年繰り返すと、地下茎で栄養を溜め込み繁殖力が強い竹も、力尽きるそうです。





これまで多くの方に色々お手伝い等、ご協力いただき、感謝しております。
お蔭様で、竹林はだいぶ良い状態になり、また、竹という素材の良さや特徴、
そして地球温暖化や森の事、海のプラスチックごみや生き物達の事など
環境に関する問題を多くの人にお伝えできたのではないかと思っています。

竹林の会の活動以外にも、市の環境審議会委員や地球温暖化対策実行計画策定委員等、
環境計画について自分なりに調べて、市の会議で提言してきました。

環境のためにと、全力で突き進んできたつもりですが、私が目標としてきた結果については、
残念ながら出すことができませんでした。
そのため、一度立ち止まって考える必要があると判断しました。

竹林の会の活動を通して、色々経験することができました。
一方で、忙しさが増すことで、環境に関する新たな情報の収集や知識を得る余裕がなくなりました。
竹を使った活動は楽しく、竹林にくればいつも心が癒されるのですが、
竹林整備や竹の催しの準備は全て手作業なので、何をするにもとにかく時間がかかります。

私は環境問題解決のために、自分の時間を使っていきたいと考えていましたが、
いつの間にかその道から外れてしまったと思うに至りました。
そのため、竹林の会の活動はここで一区切りつける事にし、
一緒に活動してくれていた方々に今後をお任せすることとしました。

何も無いところから始め、至らぬ点も多々ありましたが、
これまで自由に活動させていただいたことに、
ご住職はじめ、お寺関係者の方々には感謝申し上げます。

お寺の人離れが進む時代ですが、仏教や道徳心を伝えるお寺の存在は重要です。

慈悲の心、
利他の心、
足るを知る心、
物を大切にする心、
こういったことが人々に浸透していれば、環境問題はもっと抑えられるでしょう。

様々な生き物達に対する思いやりの心があれば、
無碍な自然破壊や汚染はできなくなるからです。


お寺にある竹林と、樹木や草花は、とても貴重なものです。
是非そのまま次の世代へ引きついでほしいと思います。

今までどうもありがとうございました。




そして。

「環境問題は政治問題」
法律、条令、税制を変えることによって、社会の大きな流れを変えることができます。
ボランティア活動は意義のあることですが、環境問題の根本的な解決を図るのであれば、
法律、条例、税制が変わらなければなりません。

日本は先進国という位置づけですが、現状を調べていくと
環境問題についてはとても先進国とは言えない状況で、
海外からたびたび批判を受けています。
日本の社会全体として改善の余地が大きくあります。

「一人の百歩よりも百人の一歩」

環境も政治もそうですが、大事な事は、動くこと。
知ることだけ、愚痴をいうだけでは、世の中は何も変わりません。
何もしないということは、現状を認めることと同じ。

もし原発がない世の中を望むなら、選挙では脱原発を主張する候補者を調べて投票する、
もし地球温暖化を止めたいなら、どこを節電できるか考え、実行する。
もしプラスチックごみを減らしたいなら、過剰包装している企業の物を買わない、
もし食の安全を求めるなら、無農薬の野菜を全部は無理でも少しずつ選択するようにする、
もしウナギの絶滅を避けたいなら、ウナギは食べない、
もし牛や豚や鶏などの畜産動物の扱いが酷いと思うなら、食事で肉を採らない。
どんな立場であっても、その人なりのできる行動は必ずあります。

そして、もしこれらについて言及する政治家がいれば当選させ、
環境問題が解決に向かうように、法律、条例、税制を変えてもらう。
逆にしがらみや目先の利益に囚われたり、議会中に居眠りするような議員は落選させる。

また、考え方のわずかな違いや小さな咎で、協力を惜しんだり足を引っ張るようなことはしない。
人は完璧ではなく、考え方も違います。
大義名分が理にかなうものであれば、小異を捨て大道に就くことが大事です。

政治的なものから、日常生活の一つ一つまで、どう行動するかで結果は変わってきます。
一人一人の行動が積み重なったとき、それは世の中を変える大きな力となります。

世界の人口は75億人近くいます。
単純計算で、もし世界全体で植林の日を決めて一人一本の木を植えたら、
それだけで75億本の木(そして成長に必要な土地)が増えることになります。
現在、世界の人口が増えることで地球環境の負荷が増えていますが、見方を変えれば、
環境保護にみんなが力を入れたら、とても大きな良い影響を作り出すことができます。

今の自然からの恵みが、将来の人たちも受けられるように、
春、夏、秋、冬の安定した気候と、様々な生き物達がいる環境を未来に残す為に、
子供がいる人はもちろん、子供がいない人も、
若い人は自身の未来のためにも、
大人は若い人のお手本となるように、
是非、どんなことからでもいいので、まずは一歩、動き始めてほしいと思います。
動き始めたら、そこからまた新たなことがわかってきます。
すでに何かに取り組んでいる人は、さらにそれを前進させたり、周囲に伝えたり、
あるいは他の環境分野のことも調べてみてください。

最終的に、環境問題は政治、つまり法律、条令、税制をどのようにしていくか、
というところに行き着きます。

政治から目をそらさないで、むしろ興味をもって関与してほしいと思います。
若い人は特に、自分達の未来のあり方は、政治によって決まってくるという危機感を持って、
見てみてください。

法律や条令、税制は、時代に則して変える事ができるものです。



えんどう こういち 略して エコ!
 





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