小さな植林隊





環境情報 2008年11月2日(日)





絶滅危惧種リスト2008年版に登場した動物たち


絶滅危ぐ種を示す「レッドリスト(Red List)」の08年度版が6日発表され
世界の哺乳(ほにゅう)類の半分の種で個体数が減少している上、
三分の一以上の種は絶滅の危機に瀕していることが明らかになった。

動植物4万4000種以上を対象に行われたこの調査結果では、
地球上で確認されている哺乳類5487種のうち実に4分の1に
明白な絶滅の危機が迫っていることも示された。


2008年10月7日(火) AFPBB NEWSより 
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2525631/3404022
<感想>


全世界で絶滅危惧種が増えつつあります。
レッドリストによりますと、
動物種数(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫類、
クモ型類、軟体動物、甲殻類、珊瑚、その他)の絶滅危惧種数は

2002年 5453
2003年 5483
2004年 7180
2006年 7724
2007年 7851
2008年 8462

と短い期間に激増しています。


また植物種数(コケ類、シダ植物、裸子植物、双子葉植物、単子葉植物、
緑藻類、紅藻類、地衣類、菌類、渇藻類)も絶滅危惧種数は

2002年 5714
2003年 6776
2004年 8323
2006年 8393
2007年 8456
2008年 8466

と同じく短期間で激増しています。



これら動植物は消える時はひっそりといなくなっていきます。
動植物は、ただでさえ厳しい生存競争を勝ち抜かなければいけないのに、
それに加えて、人間による森林伐採、汚染、乱獲、
また地球温暖化による気候の変動などにより
生息環境が急速に悪化し、次々にいのちが消えていきます。


動物種と植物種をあわせると16928種の生物が絶滅寸前ということは
普通に考えて大変危機的な状況です。
生態系は食物連鎖で成り立っているので、1種類消えるだけでも大きな影響が出ます。


例えばニホンオオカミ。
かつて日本に普通に生息していたのが、狂犬病が流行った時に人間を襲うようになったため、
人間から敵視されるようになり、害獣として駆除の対象となり、
報奨金までつけられてどんどん殺されていきました。
それ以外に、人間の開発による野生の草食獣の減少、生息地である山野の減少、
また、ジステンパーという、現在でも致死率90%以上の
病気が流行ったのもあり、最終的にニホンオオカミは絶滅してしまいました。

ニホンオオカミという天敵がいなくなった結果、現在はシカが増えすぎて問題になっています。

シカはオオカミに食べられる存在ですが、単に食べられるだけでは絶滅してしまいます。
それを乗り越えるために、シカは繁殖力で対抗してきました。
それだけに、オオカミがいなくなった今、その強い繁殖力で生息数がどんどん増えています。

シカが増えた結果どうなっているかというと、シカの食害が問題となっています。
シカが増えることで、えさとなる草や木の皮がどんどん食べられます。
シカの食害から起きることは以下のようなものです。


1、下層植生の衰退

2、樹木の皮をはぐ
(樹木の皮を剥がされると、木は細菌に感染しやすくなり、さらに葉で作った栄養分、
根から吸い上げた水分を送る組織が傷つけられると木は枯れてしまう。)

3、シカが食べない植物の増加
(アセビや、ハシリドコロなどシカが食べないものは残るので、その植物だけが
一面を覆うようになる)

4、造林の妨害
(植林した苗木はシカのえさになるため育つ前に食べられる)

5、岩石の露出
(下草がなくなることで土が露出し、それが雨で流され、その結果岩石が露出してしまい、
植物が育たない、つまり生物がすめない環境になる)

6、ニホンカモシカの縄張り干渉
(ニホンカモシカは一組のつがいで一定の縄張りを持っているが、シカは基本的に
個々が縄張りに関係なく増えていくため、ニホンカモシカの縄張りに干渉してしまう。

7、山ビルの生息地の拡大
(シカのつめの間などに山ビルがくっついて移動し、今までいなかったところに
山ビルが存在するようになった)


このようなことが起こってしまいます。
ただ、シカの食害といいますが、シカが生きていれば食べ物が必要となるので
ある程度のことは起こって当然なのです。
例えばシカが木の皮をかじって木が枯れたとしても自然界では起こって当然のことです。
植林した苗木が少しくらい食べられてしまうのも仕方のないことです。


では何が問題かというと、そのある程度が「度」を越えてくるのが問題なのです。

オオカミという天敵がいた時は、シカは食べられる存在で、
その個体数は大体一定に抑えられていたのが、
天敵が完全に消滅したためシカはどんどん増えていきます。

シカに食べられる植物は、走って逃げることなどできませんので、
繁殖力で子孫を残していますが、シカの個体数がどんどん増えていくため、
その繁殖力では子孫が残せない状況になってきています。
そうなると、また植物の生態系に大きな変化が出てきます。


この様に、たった1種類のニホンオオカミが絶滅したことで、
また別の問題や変化が生態系に起こることになります。



もう一度最初に戻りますが、2008年に発表された絶滅危惧種は
動物で8462種、植物で8466種です。

この絶滅危惧種が本当に絶滅してしまったら
予測できない生態系の変化がおきると思います。


生態系は食物連鎖です。

人間が食べるものも当然他の生物の命です。

様々な生物が急激な変化で存在できなくなると、結果として
人間の食べるものがなくなるということにつながります。

絶滅危惧種が増えている原因は、開発による森林の減少、乱獲など、
人間の活動によるものが大きいです。

このまま人間が傍若無人に振舞い続ければいずれそのしっぺ返しは
食糧危機という形で人間に起こります。


動植物達は、消える時はひっそり消えていきます。
人間のように徒党を組んで抗議したりはしません。



静かに迫る、様々な種の、絶滅の危機。

レッドデータのリストの数をみてどう考えるか。

地球の為にやさしく生きることを考えてみてください。






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